異世界でクソ雑魚スタート物の輝きは失われてしまったみたいだ
ボク以外の人はボクを諦めてくれない。
だからボクは既にストレスがマッハで頭ぽーん寸前なのである。
しかし異世界召喚者なボクの身体はぽーんさせてくれないのだから残酷であり、優しい
ボクは主人公でもないので覚醒イベントはありません。優しい貴方達はざまぁされる要素はありません。劣等感に苛まれて闇堕ちは……あるかもしれません。ごめんなさい。
でもその原因はおそらく貴方達になるのではないかと思います。自分勝手ですがボクはきっとそう思うでしょう。闇堕ちしたらごめんなさい。
ボクの許容量は貴方達の100%善意で既に天井突破しているのです。
落伍者は手を伸ばすのでしょうか。それとも見向きもせずにさっさと捨て置いてお前らは先に進んでいけと思うのでしょうか。
今のボクは捨て置いてくれです。その時になった時に思うのはどっちかは想像もつきませんが。
「んんwwwタナカ殿www覚醒イベントは近いですぞwww」
そう言いながら
ボクはそれを先端を尖らせた木の枝で突く。死んだ目をしながら。
ボクのイメージでは槍のようなそれで突き刺すなのだが、残念な事にボクのステータスはall1。どうしても木の枝で突くになってしまうのだ。
どうしてボクの身体は異世界転移なのに元の身体より劣化しているのでしょうか。ガッデム!
「今日のノルマはあと187匹ですぞwww」
ボク抜きでボクの事はクラスメイトに考察されている。
この
古き悪きオタロールプレイがウザい所もある彼だが善人の方の分類である。それだけだから。
というかうちのクラスは平和であり、激しくオラついてる奴もヤンキーもいないし、絵に描いた様な派手ギャル、女王様、陰キャ腐女子もいない。腐女子趣味はいるが痛くない。平和だなぁ。
そしてクラス転移落伍者であるボクを迫害したり追放しようとする勢力もいないし、クラス全員でボクを守ろう!とか言い出す奴もいない。
有志だけが善意をボクにブツけてきやがるのだ。平和だぁ。やめちくり。
でその有志の集まりである『
お前ら……お前らさぁ……なろうに毒されすぎよホント……ボク涙が出てくるよ……
介護士は彼だけではない。次から次へと運ばれてくる死にかけの魔芋虫。街のちびっこもボクに献上しにくるのだ。ボクってほんと魔性の女ね。
この魔芋虫が1万円札だったのならば今頃ボクは大金持ちだったろう。この世界で1万円札はただの紙切れだが。
ちなみにこの世界では日本の紙幣が大金に化けるとかいうイベントは起こらなかったらしい。
それから1ヶ月後。
ボクは覚醒した!なんて事は起きませんでした。はい。
えー、魔芋虫のシーズンが終わりました。なんでもボクの為に、ボクのせいで普段は放置されている魔芋虫が著しく数を減らしちゃったみたいで、魔芋虫が変態するとなる魔蛾もあまり見られなかったみたいである。
生態系大丈夫?と少し心配になりましたが、魔芋虫並びに魔蛾がこの街で絶滅しかけたぐらいでは影響はないらしいです。
とか言っても後々になって実はとかあるんじゃないの?とも思ったのだけれども、魔蛾の卵らが産み付けられた野菜や木材が他の街から持ち込まれるので心配する事はないらしい。
あとこの魔芋虫、つい最近までただの芋虫の1種と思われていたのだ。それがどうして魔物の方になったのか。
まず魔物と魔物じゃない生物の分類の方法。魔石と呼んでいる物質をドロップするか否か。それだけである。
魔物は魔石と呼ばれる物質を確定でドロップする。生き物は魔石を確定でドロップしない。
で魔芋虫の魔石である。これが微小であった。風が吹けば消え去る様な程に。だから発見はされなかったのだが、ある日の事。
1人のちびっ子がその微小な魔石を持って鑑定換金所に持ち込んできたのだ。
鑑定士が鑑定してみればこれは確かに魔石である。魔石の削りカスではない完品の魔石であった。砂一粒程の大きさでも魔石は魔石なのである。
これをどこでみつけたのかと言うと、飼っていた
飼っていた
ちびっ子は換金するためにここに持ち込んだのだ。小さすぎる魔石に価値はつけられない。悪い意味で。探せばすぐ見つかる
ちびっ子相手に価値はないから持って帰ってとも言い辛い。
悩んだ鑑定士は飴1個分の硬貨を自分の財布からちびっ子に支払った。
その後、彼がそのちびっ子の発見を自分の手柄にして報告し、どっかからその手柄で報奨金を得たとかも起きなかった。大発見は大発見だが金にならない大発見は悲しいものだ。
「うーむwww残り約94,000匹で打ち止めwwwこれは困りましたぞwww」
「皆!食べればステータスが永続的に上がるあの種的な存在が敵からドロップしたから持ってきたわよ!」
「でかした!」
みたいな会話がどっかであったらしく、ボクの目の前にはよくわかんない果実とそれを持ってきた堅物三編み眼鏡女委員長がいる。
ちなみに彼女はこの世界でもそこそこ珍しい魔法適性持ちで魔物狩り遠征とかもしてるのでタナカさんの覚醒を促す会のメンバーではあまり接する機会がない方である。召喚前もそんな接する機会はあんまなかったと思う。
なんというかクラスの委員長という立場は責任感があって面倒見の良い人がなるんだろうなぁとボクは今思ったね。
そんなどう考えてもレアアイテム確定な実、乱獲でもしなきゃ他の人に分け与えれないよボクは。
チョーゼバイターキマース(おフォーククルンッ)。
うん、これはいわばまさにジューシーです!
「…本当に食べてしまったのか?」
え?
「なんでもない」
なんだろう……いやだなぁ…怖いなぁ……
「美味しい?」
あ、はい。ジューシーですね……あ、委員長はこれ食べましたか?
「ふふ、なら良かったわ」
あ、その、もしかしてやっぱりこれ
「遠慮しなくていいのよ」
あ、委員長?近いっす。同性とはいえボクなんかドキドキするんで
「委員長じゃなくて名前でよんで」
え?あ、いい、ハルナさんそんな悲しい顔しないでください。それとどうしてボクのお腹を撫で回すのでしょうか、勘弁してつかさいよ本当。それより委員長も食べませんか?もしかしたら分けても能力値アップするかもしれないし。半々づつかもしれませんんっ……
カーテンを開けば既にお日様は上っていた。
部屋のテーブルの上には書置きが。
ボクの今日は休養日。つまりはタナカの覚醒を促す会の活動をお休みにしておいたよ、とハルナお姉さまの字で。
それから幾年の月日がながれ……
ラグビー部のヨシダ君の低空タックルが魔王の身体を倒し
それを見た女子柔道部のササキさんが雪崩れ込み魔王の首を絞め
帰宅部のプオタのクドウ君がひたすらストンピングを浴びせ
現地民である聖女が叫ぶ
「死亡確認」と。
死亡確認……なんだか猛烈に嫌な予感がしてきたのう……
が、魔王が第2形態で蘇るとかいう事もなく死んだという事で魔王戦までの露払いとして着いてきたハルナお姉様とハルナお姉様のペット枠のボクとボクの介護士枠の彼が戦いの終わった決戦のバトルフィールドに入っていく。
魔王討伐おつおつwヨシダ君ハイタッチイェ〜イwササキさんもクドウもイェ〜イw
「死亡確認はフラグですぞwww」
とか言いながら彼は不用意に魔王に近付き、しゃがんで彼の胸に手刀を突き刺す。
え?何してんの?
「しばし待つでござるよwwwんんwwwこれですなwww」
いやいや……何をしてるのさ……え?消える前に急ぐ必要が……だから何でって……え?それ臓器?なんで臓器?
立ち上がり振り返った彼の手には魔王の心臓が乗せられていた。
「タナカ殿wwwこれを食べれば覚醒ですぞwww」
ステータスall1固定のボクに覚醒イベントが用意されてると信じ続けていた彼は、ボクにそれがいつまで経っても訪れない事でいつの間にか壊れてしまっていたみたいだ。
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