◆第7章-1◆お義父さん大激怒。「家事のリストラ法」を教えてやる
『下限』の考え方で家事の問題を二人で共有できるようなった愛理と努。家事や仕事だけでなく、二人の未来についても話し合えるようになっていた。そんなある日、努の父親である芳樹(よしき)が二人の家を訪ねてくることになった。幸せそうな二人を祝いに来た芳樹だったが、あるものを見て激怒する。しかもその怒りは、愛理と努にとって理不尽なものに見えた。
愛理「話し合えるようになったよね、私たち」
努「ほんと、なんであんなにギスギスしてたんだろうって感じする。一番大事なのは二人の時間だよね」
愛理「そもそもがもっと一緒にいたいから結婚したんだし。料理、洗濯とかの家事を極めるために結婚したわけじゃないのよね。努は片付け力はもっと上げてもいいけど(笑)」
努「おっと、二人ともできないことを無理にしてもねと言おうとしたのに(笑)」
愛理「初めてのことばかりではあるしね。育児も分からないことばっかりだろうなぁ」
そう言って、愛理はお腹にそっと触れた。
愛理のお腹の中には努との待望の第一子がいる。余裕ができたことで将来の話し合いもできるようになり、子育ての準備も進められるようになったのだ。
ともりーな「幸せそうでよかったー(*´∪`)赤ちゃんにはともりーなって名前つけてくれるかな♪」
愛理「日本人にその名前は無理よ(笑)」
努「ん?何か言った?」
愛理「あ、何でもない!そろそろ子どもの名前考えなきゃねって思って」
努「名前にも『下限』ってあるのかなー(笑)これだけあれば幸せラインが」
愛理「名前は上限でいいのよ。夢見てこうよ(笑)」
ともりーな「もう大丈夫そうねー♪そろそろ次のお家に行く準備しなきゃ(๑˃̵ᴗ˂̵)و」
お腹の中に赤ちゃんがいる愛理と努は幸せいっぱいである。しかし、ちょうどその頃は、愛理のつわりがひどくなり始めていた時期でもあった。
これまでできていたことが少しずつ、でも確実にできなくなることに焦る愛理。気にしながらも「男にできることは見守ることだけ」と諦めつつある努。出産を経験した友人に聞いても「男は徳を積むことしかできない!」と言われてしまう。アプリを眺めてなんとか父親としての自覚を高めようとしているだけだ。
そんなある日、努の父の芳樹が妊娠の知らせを受けて、お祝いのために遊びに来ることになった。
愛理「なにこれ、、、つわりってこんなに辛いの?自分の身体じゃないみたい。二日酔いなんて比じゃないわ。いつ終わるのよこれ、、、」
努「(辛そうだな、、、そっとしておくしかないか)大丈夫?横になってな」
愛理「ありがとう。でも今日はお義父さんが来てくれるわよね。ちょっとでもきれいにしとかなきゃ」
ともりーな「あれれ、愛理ちゃんが大変、、、!」
完璧とは言わないまでも努の父の芳樹を迎える準備はできて、ほっとする愛理。何とか到着前に片づけを済ませることができた。
(ピ~ンポ~ン)
努「親父、来たみたい!はいよー!」
芳樹「(ガチャッ)おーす!元気にしてるか?ほら、みかんだ。静岡のみかんは日本一だぞ!みかんなら愛理さんも食えるだろ」
努「声でかいよ!いまつわりがひどいんだ」
芳樹「そんな時期か。留津(るつ)がお前を産む時も大変そうだったな」
愛理「あ、お義父さん、どうぞ上がってください。散らかっててすいません」
芳樹「なになに、きれい好きな留津がいなくなったうちの家に比べたら・・・おい、努」
みかんを渡して上機嫌だった芳樹だったが、廊下に目をやった途端に、低い声を出した。
努「あーごめん、適当に座っていいよ」
芳樹「廊下、お前が掃除したのか? ゴミひとつ落ちてないじゃないか」
努「いや、愛理が掃除好きだから愛理がやったんだよ。親父も来るの分かっていたしね」
芳樹「ちょっと来い!」
努「何キレてるんだよ?きれいで何が悪いんだよ」
愛理は二人のやり取りを心配そうに見つめていた。
愛理「あの、お義父さん、私何か・・・」
芳樹「あー愛理さんはいいんだよ。ちょっとこいつと話しがあるから楽にしててくれ。努、駅前に喫茶店があったな。そこ行くぞ」
努「なんなんだよ。愛理ごめんな、すぐ戻るけど何かあったらすぐ連絡してくれ」
※え、芳樹さん怖い人・・・?もしかして「親を迎える準備ができてない!」とか言っちゃう人?連れてかれる努くん、大丈夫かしら(°□°)明日は芳樹さんが怒った理由が分かるはず・・・。
褒められて伸びる妖精ともりーなは、あなたのレビューやコメント、★をお待ちしています٩(ˊᗜˋ*)و
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