◆第6章-2◆いつから間違えたんだろう?『下限』を決めるベストタイミング

ともりーなに連れられてプロポーズの現場を見に行った愛理。『下限』を決めるベストタイミングがプロポーズの時だったことを努に伝え、「家事早見表」を一緒につくることにした。プロポーズは二人の大切な思い出であるだけでなく、共働き夫婦が家事について話すベストタイミングという認識も共有できた。

そして、『下限』を決めるセカンドタイミングは「金曜日の夜(次の日が休日)」ということも二人で発見した。毎月3週目の金曜日に『下限』について話し合うことになったのだ。「明日が休み」と分かっていると落ち着いて話す余裕もできる。もちろん、『下限』として第4週目にすることもある。「この日がだめでも、また次の日も話せる」と分かることで、話し合いは余裕を持ったものになる。


ともりーな「あ、今日は先生いないんだよね。自習入りまーす(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)✧」

愛理「え、私ひとりでまとめるの?」

ともりーな「愛理ちゃんにできないことはないのだ٩(ˊᗜˋ*)و」

愛理「乗せるのうまくなってきたわね(笑)。よし、今日は自分でまとめてみる!あ、でも努にもまとめてもらおうかな。二人でつくった方が一緒に暮らしている感覚も身につくし。」

ともりーな「いいアイディア~!」

愛理「まず私から手紙を書いて、努に無茶振りしてみるね(笑)」


◆愛理から努への手紙~『ともラク』メソッド◆

努へ


また忘れちゃわないように手紙にしておくから、ちゃんと読んでおくこと(笑)。あとで努も考えてね♪


私は「もしプロポーズの時に家事の『下限』の話ができたら」と想像してみました。そしたらプロポーズの時にどういった話を切り出せば良かったのかといった具体的な会話の言葉や、「季節ごとの家事早見表を作る」というアイディアが浮かんできました

ということで、プロポーズから共働きが始まる初期を4つのステップにまとめてみます。

・1ステップ:プロポーズのロマンチックさと、家事という生活感溢れる話を両立させる

ここは努の腕の見せ所でもあるわね(笑)。あの日のプロポーズ、とてもロマンチックでうれしかったよ。

・2ステップ:プロポーズの場で家事の『下限』を決めるトライアル期間を1年間設ける。そして、家事と仕事のバランスを二人で観察することを約束する

・3ステップ:家事の担当も『下限』も固定化させずに、季節や仕事の状況、体調によっても変わることを共有する

・4ステップ:「季節ごとの家事早見表」をつくって、家事を見える化する


◆愛理から努への手紙~『ともラク』メソッド解説その1~◆

努へ


「プロポーズは『ともラク』生活を始めるベストタイミング」という二人で確認したことも残しておくね。家事の『下限』を話し合うベストタイミングがプロポーズの時である理由は二つあります。


一つ目の理由は、共同生活を始める前だから何も決まっておらず、何でも話すことができるからです。仮に同棲をしていたとしても、プロポーズをきっかけに仕切り直しを提案しても不自然ではないよね。でも、結婚生活が始まってから話し合おうとすると、妻と夫のどちらがどの家事をするかという役割が固定され始めちゃうから、変更することが難しくなっていきます。一度固定されてしまったものを変えるには、相手を説得する理由も必要でてきて大変です。努を論理的に説得するのは私には無理だし(笑)。それに、何よりもそのための時間を捻出するのは共働きで仕事がある私たちにとっては大きな負担です。


そしてプロポーズが『下限』を話し合うベストタイミングである二つ目の理由は、お互いが「一緒に生きていこう」と前向きな気持ちで未来を見ている点にあるからです。これが一番大きいかな。プロポーズの場なら明るい空気で話し合いができると思うのよね。共働き生活が始まると、どちらかは仕事で疲れている、もしくは二人とも疲れているという状況が増えて、明るい気持ちで話し合える時間は限られちゃうじゃない?でも、プロポーズの時間は仕事のことを忘れ、お互いのことだけに集中していたはず。話し合うタイミングもベストであれば、気持ちと空気もベストな状態にあると思うのよ。


◆愛理と努の往復書簡~『ともラク』メソッド解説その2~◆ 

愛理へ


手紙書くの久しぶりな気がする(笑)。前はよく書いてたなー。何となく「俺は家庭のことは苦手なんだろうな」と思っちゃって、愛理に苦労かけてしまったなと思います。なので、俺にもまとめる機会をくれてありがとう。


しかもお題をくれている(笑)。テーマは「プロポーズのロマンチックさと、家事という生活感溢れる話を両立させる」となかなか難題なのでは。でも確かに愛理も懸念しているように、女性から家事の話を切り出して、プロポーズの場に水を刺すのは避けたいという気持ちは自然だよね。まだまだ男性がプロポーズをして、女性が受けて、という価値観は強いし。

だから、今思ったら男性から、つまりプロポーズをした側から『下限』の話し合いを切り出すことがベストだったんだと思う。「これから一緒に住むことになるから家事の話もしておきたいんだけども」と言えたら良かったね。こんな感じでいかがでしょうか(笑)?愛理にお返しします。


努へ


そう!努からプロポーズの流れで家事の話もしてもらえたらすごい助かったね。でも、二人とも結婚も人間すらも一回目だからこれは仕方ないと思う。周りの友達に言っておこうかな(笑)。

でも、やっぱりプロポーズの場で「皿洗いはあなたが~」とか「ゴミ捨ては交互ね」は話にくいかな。私たちみたいにフレンチ・レストランにそぐわない言葉が多そう(笑)。だから、「共働きの最初の一年間は家事分担のトライ期間であることを共有すること」だけ話せれば良かったんじゃないかな。つまり、共働き生活を始めた最初の一年では、誰がどの家事をどのレベルでやるかを「固定化しない」こと。やっぱり暮らし始めたばかりはがんばっちゃうからね。

この話題であれば、具体的な家事の話はせずに、プロポーズの場でも明るく話出せる気がする。


※なんだか夫婦らしくなってきた気がする!愛理ちゃんがリードしてばかりだったけど、努くんも家族の一員だからね。「家事を手伝う」じゃなくて「一緒に家族をつくる」がいいよね(^^)明日は努くんから久しぶりに手紙をもらえてハイテンションな愛理ちゃんが登場します。うれしかったんだね~。「もう一度プロポーズされたらとして、ロマンチックに家事の話をする会話例」を考えてみたんだって!世の夫の皆さん、手紙はいいわよ~(*´罒`*)


褒められて伸びる妖精ともりーなは、あなたのレビューやコメント、★をお待ちしています٩(ˊᗜˋ*)و

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