第11話 サムライカイン

カインはスライムの首をはねた。


アトレイユ一向はその超常現象におののいた。

「サムライの攻撃はクリティカルヒットすると首をはねるのよ」

博識なマリアが状況を説明する。が、そこは結構どうでも良い。


冷静に時系列で考えると

カインが刀を振るう、スライムに当たる、クリティカルヒットする、スライムに首が生える、スライムの首がはねられる、今に到る。


剣士からサムライに転職したカイン。

「これがサムライの実力……」

カインも驚く。

「寸止めしたら首の生えたスライムになる?」

トーマスが好奇心を抑えきれず妙なことを思い付く。


まぁ、カインにそんな器用なことはできなかったので首の生えたスライムは作れなかったが。


「そんなことよりカイン、お前サムライになったのに語尾にござる付けなくて良いのか?

アトレイユが不思議そうに聞く。

「わからねー。中途採用のサムライにその義務は多分ねー」

「ああ、あれは新卒のサムライにのみ許された口調ってことか」

アトレイユの言葉にカインはムッとする。

「使おうと思えば使えるでござる。これで満足か」



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