第3話
その日から、3ヶ月後。
真里は、親友が出来て楽しく学校生活を送っていた。親友の山里いずみ、通称いずはサバサバしていてクールだけどツンデレで可愛い子だ。あと、、、サッカー部で1年生でスタメン入りを果たしていてカッコいい神のような人、山神諒太くん。そう、電車で会った山神くんだ。真里は、あの時よりも更に山神くんが好きになってしまっていたのだ。思った通り不器用だけどすごく優しい人だ。二人とも、真里と同じ1年B組。そこは感謝している。でも、、、真里ははぁっとため息をつく。
「山神くんと、全然話せてない、、、」
真里はどうやって話せば良いのかがわからなくて、結局黙ってしまうのだ。なんと山神くんから皆に何回か声を掛けてくれて、山神くんの親友の雷都くんや晴人くんと、いずと真里で遊びに行ったこともある。でも、教室ではあんまり話していない。遊んだ時はすっごい楽しかったんだけど、、、そのせいもあって、教室で好きな人と話せないのはやっぱりなんとなく寂しい。
「誰と話せてないって?」
「うわぁぁぁっ!!」
いずが急に思考に割り込んできて凄くびっくりする。
「え、聞こえてたの、、、?」
敵を騙すにはまず味方からの精神で、好きな人は誰にも話していないのだ。聞こえてたら手帳に書いた「バラさない」と「認めない」をまとめて破ることになってしまう。
「うん。ずっと思ってたけどやっぱり真里山神のこと好きなんだね。」
呼び捨て?!あの山神くんを?!う、羨ましい、、、ではなく、やばい!!ってか、え?!ずっと思ってた?!
「え、いつから気づいてたの?」
「あ!認めたね?んー、あたしと真里が仲良くなってすぐ、かな?」
にまっと笑ういず。その笑顔は可愛いけど、内容は全く可愛い物じゃない。
「えええええ?!ってか、しまった!認めちゃった!」
あーぁ。もうやだ。
「大丈夫!多分あたし以外気づいてないから!秘密ね!」
いずが神さまに見えた。
「うん!!!絶対で、お願いします、、、」
真里は深く深く頭を下げる。これはそれくらい凄く大切な事だ。
「はいはい。」
いずはちょっと笑ってるみたいな声で頷いてくれた。
「ってそれより、今日は夏季学校の班決めだよ?」
え?そんなのあったっけ。
「覚えてない、、、」
「?!信じられない!だって好きな人と近づくチャンスだよ?もしかして、もう他の男子に誘われてオーケーしちゃってるんじゃないでしょうね?!」
すごい剣幕でいずに迫られ、私はちょっと考える。
「んーと、確か『考えるね』っていうか恥ずかしくて黙ってたから大丈夫!!」
というか、もともとそんなに重要視してない&めんどくさいし!適当に決めようかなって思ってたし。
「恥ずかしくて黙ってたって小学生かっ!」
満面の笑みで答えた瞬間、いずに素早く突っ込まれた。よかったほかに余計なこと言わなくて。本心を全部言ってたら大変だった。
「そんな事私が一番わかってるもん。」
「あのね、真里は可愛い顔してるし性格もいいんだから、ちゃんと考えてから返事するんだよ!」
「う、うん、、、」
すっごい剣幕。やばいね、これ。あと、私可愛くないから。いずの方が可愛いから。いずは、美人さんで愛嬌があって可愛いからすっごくモテるのだ。親友自慢は負けない自信がある。
「あと、今日自分でちゃんと山神を誘うの!いい?頑張るんだよ?私も協力するから!」
「ええええっ?!」
「頑張れ!真里!」
「え、、、、うん、、、」
なんか勢いに押されて頷いてしまった。やばい、と思った直後
「言質取ったからね!絶対よ!」
と言われた。やばいなぁ絶対無理だよどうしよう。焦るけど、良い考えは全く浮かんでこない。
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