沼中の蛇2
けれども、それは同じようなものを
だって、魔か神かは見る者によって変わってしまうのだ。
観測者の物差しありきの結論である以上、ただ満ち足りた孤独に
だからといって、魔と判定されたとて
観測者なぞ、人ならざるモノでしかない
混沌たる
それこそ
己こそ善と
だから、観測者も英雄もいないこの場にいる以上、
とはいえ、なんの憂いもないわけではない。
人の世に対しては、特に混沌とした
しかし、
それを考えれば、仮に返せるようになったとしても、もう
それでも、返すことも含めての
だから、
「帰り
帰っておいでと、やさしくそう繰り返し呟くのだ。
どんな物事にも終わりがある以上、いずれ大きな環を描くようにして可愛い
或いは、螺旋を描くように
「帰り
どろりと糸引く甘い声で、繰り返すのだ。
「帰り
ぞろりと虫が
「帰り
ぎちりと骨が
「帰り
可愛い可愛い
いずれ去る男に恋した
そんな決まりきっていた悲しみなど、淡く甘く儚くそして痛みを
だから、環が閉じるその時まで、
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