第2章:不審者
第1話:猫耳
気品あふれる貴族風の衣服に身を包んだ数人の男たちが、屋根を突き破って侵入してきた怪しい男を取り囲み、ゲシゲシと蹴りを入れ続ける。
「痛い痛いっ! ちょっと、あなたたち、僕を誰だかわかって蹴りを入れているんですよね!?」
その
それから10分ほど経つと、ボロボロになるまで蹴っ飛ばされた
「いったたた……。僕がGMの
「くぅぅぅ! 僕の一張羅がボロボロですよっ! あいつら、あとで賠償請求させてもらいますからねっ! もちろん、ノブレスメダルでですがっ!」
怒りが収まらない
「うるさいんだニャー。ここで暴れたところで何一つ解決しないんだニャー」
「あ、す、すいません。先客がいらしていたんですね……、って、うえええ!?」
「どうしたんだニャン? いきなり素っ頓狂な声をあげて?」
「ちょ、ちょっと!? ケモ耳は僕の心にズキュンッ! と突き刺さるのでやめてくれません!?」
「んー? やめてくれと言われても、産まれてこの方、この耳なんだニャン。あちきの存在意義自体を否定する気ニャン?」
出来ることなら、自分の嫁と目に入れても居たくない可愛い娘にもケモ耳カチューシャを常時つけていてほしいと願っているほどのケモ耳好きだ。
しかし、
「い、いや……。似合ってますよ……。いやあ、役得役得。ふぅ……」
「何が、ふぅ……なのニャー? なんか、知らない間にあちきは汚された気分になってきたんだニャー」
さらさらとした蒼髪をボブカットにしている猫耳美少女が、
(ちょっとくらい、あのフサフサとした猫耳を揉んでも良い……ですよね? 僕はこの世界の神なのです……。神は下界の住人に何をしたって許されるはず!?)
猫耳よりかはおっぱいを揉んだほうが良いのではないのか? と思われるかもしれないが、
「おっと。そこまでなのじゃ。その汚らしい手で、アズキの肌に触れようとするのは止めるのじゃ」
凛として威厳に満ちた通る声で
「なんじゃ? 気持ち悪い。何ゆえに薄ら笑いを顔に浮かべておるのじゃ。わらわに性の対象を移したのかえ?」
そのキツネ耳の妙齢の女性は右手で、自分の顔にかかっているロングストレートの金色の髪をさもうっとおしそうにはねのけ、はんっ! と威勢よく息を吐く。
「この牢屋に入れられたということは、コソ泥か、はたまた、上に居る貴族たちに怪しまれたかのふたつにひとつじゃ。お前さん、どちらに所属するのじゃ? まさか、酔っぱらって、ここが娼館か何かと間違えて、のこのこと入り込んでしまったのかえ?」
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