第7話:ログイン
0から9。そして、aからfの英数字がしし座流星群のように
英数字の速度と量が増していくほどに、
「こ、これはっ! ノブレスオブリージュ・オンラインっ!!」
手を伸ばせば、そのプレイヤーたちの身体に触れられるのでは? とすら錯覚してしまうほどの現実感が
身体を触られたプレイヤーは一瞬、何だ!? という顔つきになり、後ろを振り向くが、そこには誰もいないのか、再び前を見て、ある方向に向かって歩き出す。
「あ、あれ? 僕の存在を気づいてもらえていない!? 僕はここにいながらにして、居ない存在となっている!?」
「掴め……ますね。僕はこの世界に降り立ったことは確かなんでしょうけど、プレイヤーたちには触れな……い?」
しかしだ。結果は
「ふむ、なるほど、なるほど。これは興味深い現象です。僕はこの世界に存在しつつも、プレイヤーたちに明確な影響を与えることが出来ないと……。そうですね。現実世界で例えるならば、神は確かに存在するが、ひとびとには直接、干渉出来るわけではないと言ったところでしょうか?」
「僕はこの世界では、目に見えない神と言ったところなのでしょう。ならば、神がすべきことはただひとつ……」
「やっぱり予想通り、この世界はノブレスオブリージュ・オンライン内なのですね。右足タップ2クリックで、メニュー画面が登場しましたし。さて、ということは右手をこうクイクイッと動かせば……。はい、出てきました。マウスカーソルがっ!」
プレイヤーがこの世界に存在するということは、臨時メンテナンスの時間が終了し、オンラインサービスが再開されたということである。徐々にノブレスオブリージュ・オンラインにインしてくるプレイヤーが増えてくることは明白だ。その前に、サーバー負荷を少しでも軽減するために
「むむむ。この昼間の時間帯にメモリー占有率が90%に届きそうな勢いですね……。これはワールド内のゴミが上手く消去されていないということでしょうか?」
もちろん、別段、『D.L.P.N』システムを利用しなくても、これらの『ゴミデータ』を開発チームでのPCでモニタリングすることは出来る。しかし、普通は注意しておくべき『ゴミデータ』を何故に見逃しているのか? という疑念が
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