第6話:星
エイコウ・テクニカル社の会長兼相談役である
その功績は甚だしいものであり、下火になりつつあった世の中のVR熱を再燃させた。しかし、それが災いし、本格的VRMMO時代がやってきたことにより、ノブレスオブリージュ・オンラインのプレイヤー人口が半減してしまったのは皮肉と言ってもよかった。
しかしながら、それでも
だが、そんな会長の温情があってしてもだ。今、割り当てられている予算では、ゲーム内の新コンテンツを次々と生み出していくには足元がおぼつかないのも事実である。現GMである
「うう……。嫌なことを思い出しました」
「今までのGMが廃人になったわけではないのです……。僕だって、無事に帰ってこれるはずです……」
フルヘイスメットを頭に装着した
「ちょっとぉ! 痛いのはやめてほしいんですぅ! もう少し、母親が赤ん坊を抱きかかえるように優しくシステムに組み込んでくれませんかねぇ!?」
だが、
「いったぁぁぁ!! これ、背骨の神経にまで針が突き刺さってるでしょぉぉぉ!?」
次々と襲いかかる背中の激痛に、
次に
だが、その唯一自由に動かせるはずの両手は足元からせり出してきた器具に包み込まれてしまう。その器具の先はゼリー状の球体になっており、そのヒト肌のような温かさを持つ球体に両手はすっぽりと包みこまれることとなる。
「なにか、いかがわしい感じのするぬるぬる感なんですけどぉ!? ひき肉をこねているようなそんな感触ぅ!?」
ゼリー状と言っても、柔らかい感じではなく、しっかりとした肉感に似た感触を味わえる球体であった。
しかしながら、上半身はしっかり固定されたものの、下半身は割りと自由に動かせる状態であった、彼は。
金属製のパンツと言っても良いのかもしれない、それは。その時は、
黒い卵型のマシーンが
するとだ。
(きれいだなあ。あれは星かな? いや、違う。なんだろう?)
などと、わけのわからない感想を抱いていると、
星のようだと思っていたそれは、意味不明な英数字であった。闇の奥から次々と英数字が産まれ、そして流れ星となり、
そして、
「こ、これは……。16進数!? ということは、何かしらのデータが溢れだそうとしているってことですか!?」
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