剣と敗北の聖女 十五
三〇年前に【駆馳の鎚 ジルマール・サンタナ】が開発した戦闘装甲ゴーレム【
従来の機兵の一.五倍近い巨体に二基の機兵用魔力炉を搭載し、高出力の魔力を用いた攻防の能力は、スパニーナの機兵を紙屑の様に蹴散らしたと記録されている。
スパニーナ帝国からは『襲い来る魔城』と恐れられたこの傑作は軍事史の教科書において栄光と共に記されており、現代でも後継機たる【
―― しかし。
『無駄なんですよこの戦いも。そしてシビラさん、あなたの慟哭も』
【砂舞剣 シビラ・サンタナ】が率いる近衛騎士の小隊の【
『マダレナ!! マルケス!! クイム!!』
『降伏してくれませんか?』
粉塵の先に佇む
『ふざけるな!』
仲間達が作った隙を突き、シビラの駆る【
宝珠の生み出す冷気が
『フラウィア! 貴様さえ倒せばルアン様は!』
『はぁ』
それを
『何度も言いますが、ルアン様はボルトニアの王に向いていませんよ。性格的に無理過ぎですし、仮に王になられても一年後にはストレスで倒れちゃいますよ?』
『っ』
機関砲盾で片手間に他の機兵達を屠りながら、呆れの混じった声でフラビオは話を続ける。
『民は王の奴隷ではありません。そして王は民の神ではありません。しかし
『『スパニーナ帝国打倒』を叫ぶ愚者達は僕が適当に使い潰します。ですからシビラさんもどうか安心して
『貴様ァッ!!』
シビラが叫んだ瞬間に突き出された突撃槍を受け、宝珠と魔導機関を破壊された
『さようなら。これが友人としての、僕なりの手向けです』
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