過去の記憶であり、今の悪夢
幼い頃に戦争を見た。
ボロボロになった町。
ぼろぼろになったみんな。
そんなみんなを、魔獣達が食べていった。
何もかもがあっけなく消えてしまって、夢かと思った。
彷徨い歩いて、何年か過ぎた。
独り、故郷が在った場所に帰った。
何も無い砂礫の原を、風が吹いていた。
砂を握り締めて、舐めた。
唾と一緒に砂を捨て、手に握った砂を空へと投げた。
骨の浮かんだ腕を縛る鎖が、ジャランッと鳴った。
父と母の姿が見えた。
跪き、聖霊へと一心に祈り続ける姿がまた、消えた。
「聖霊、さま。たすけ、て」
言葉を思い出しながら、祈りを吐き出した。
荒涼たる大地を風が走り、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます