閑話 龍の魔法使い、龍の聖女、龍の勇者
青き龍の伝説
―― それは青き星の人類種が、最後に創った真の神。
四度目の世界大戦。
壊滅した自然環境。
壊れ逝く
灼熱の砂塵が地表を覆い、崩壊する大地の叫びが、彼らの隠れる穴倉を揺らし続けた。
怯え、祈り。怯え、祈り。
そして救いは何も無い。
破れた聖書も、壊れた聖像も、何も応える事は無い。
食べ物が尽き、水が尽き、空気が尽きるまで、あと少しとなった時だった。
―― 戦おうと、誰かが言った。
そして、最後の百七人は祈りを止めて、拳を握った。
―― 我らに神は無く、我らに救いは無い。
―― ならば我らの手で、我らを救う神を創る。
それは人の結実たる力、機械である。
それは人の夢想した力、龍である。
それは人を救うための力、神である。
人類種、その最後の八人の命をくべて、人の歴史の最後に作り出された、鋼の身体に受肉して。
機械の龍神は生まれた。
星が断末魔を上げた。
大地は崩れ落ち、劫火がそれを呑み込んでいく。
神はその中に人の祈りを抱え、鋼の翼を広げた。
星が光へと変わっていく。
『ルゴオオオッ!!』
それは慟哭であり、手向けである神の叫び。
破滅の嵐の中で羽ばたき、神は炎を蹴る。
終わりの爆発を背に、太陽の円環の外へと。
暗黒の宇宙へと旅立って行った。
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