モロ国民大臣
『このようにモロ国民相の非道が明らかになったわけです』
『国民を統制する立場を利用した海外への人身売買ですか。これが就任以前から行われていたことに驚きを隠せませんね……。特に自らを『市民を背負う者』と言い、市民から強い支持を受けていただけに……』
『はい。しかも我々MCラジオが入手したこの資料によると、歴代国民相も行っていたと記されています。小規模で行われていたようですが、ただ、昨今台頭してきたマフィア組織、『カーメン・ファミリー』と協力したモロ国民相の時に、その規模を一気に拡大したようですね』
『あの我々市民に深い傷を与えた『継承戦争』において、ノツン陛下は『国民の為の政治』を約束されました。遺族の中にはこの件で『陛下に裏切られた』と主張する方々がいらっしゃいます』
『『戦争若葉遺族会』ですね。聖王陛下の生まれ変わりと言われた王子である、当時の陛下の為に死んだ多くの若者達、その肉親の方々が組織するものです』
『はい。世論に影響力を持つ彼らの意見は無視できません。モロ国民相を捕縛し、その罪の全容を明かさない限り、決して国民は納得しないでしょう』
* * *
無数の歯車が回り、ゆっくりと扉が開いて行く。
「ひひ、あひゃひゃひゃ」
幾つもの灯りに照らされるのは、竜を模した一体の戦闘ゴーレム。
青く美しい装甲を纏い、佇むだけの姿にさえ、押し潰されるような威圧を感じる。
「下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が下民が」
貴族の名誉を何と心得る。
箱庭に生かされている家畜の分際で、貴族に歯向かうとは何たる罰当り!
下民が儂の罪を問う?
「愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か愚か也!」
レバーを操作し、ボタンを手順通りに押す。
制御水晶に魔力が走り、最強の戦闘ゴーレムの封印が解かれる。
「さあ、教育してやろうぞ。家畜の分際というものを!」
これは貴様らが手にするゴミとは、強さの次元が違うぞ~。
「高貴なる者が成し、高貴なる者の手により、高貴なる儂が手に入れた、高貴なる守護者アアアア!」
閉じられていた竜の目が開いていく。
深い
開いて行く天井。
夜空が見えた時、翼を打ち、青い鋼鉄の竜が空へと翔け上がった。
「行くがいい! 水の大神殿より
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