第15話  航空誘導システム:人類に都市文明

  大洪水後、アナンヌキの航空誘導システムが再構築された。

ピラミッドはアナンヌキの航空誘導システムを支えるエクル(人工の山)として、

今から1万2500年前に建造されたものであるという。


紀元前7400年に再び惑星ニビルが地球に接近したが、

[偉大なるアナンヌキ協議会]は、平和な時代が続いていることから、人類に新たな技術を供与することが決定された。


これにより、人類は、共同体を形成して生活するようになる。

また、土器や高度な石器も制作するようになった。

紀元前3800年に、再びニビルが地球に接近、偉大なるアナンヌキ協議会が

開催されると、ついに、人類に文明を与えることが決定された。


第 1地域の(メソポタミア)の人類には、紀元前3800年に文明が与えられ、

第2地域(エジプト)の人類には、紀元前3100年に、

第3地域の(インド)の人類には、紀元前2900年に文明が与えられた。

かくして、シュメール文明、エジプト文明、インダス文明が順次、成立していったと言われる。

古代文明はアナンヌキによって与えられたものであった。


 3800年に一度、惑星ニビルが地球に接近するたびに、人類は少しづつ進歩していった。そして、紀元前3800年、ついに都市文明が与えられた。

この都市文明を出発点として、人類は高度な現代文明を築きあげてきたのである。シュメールの古文書によればアナンヌキが人類に最初に与えたのは‘宇宙の秘密の知識’=言語だと言われる。ゼカリア・シッチンは⦅宇宙プロト言語⦆=宇宙共通語:DNA3文字言語だという。


エンリルの息子ニヌルタは、メソポタミアにおいて大治水事業を実施した。広大な沃土を生み出した上で人類に穀物を与えた。

ニヌルタは、農業神として、人類に崇拝された。

また、エンキは遺伝子操作によって、野生動物から家畜を創造した。そして人類に

家畜とともに牧畜技術を与えたのである。エンキは牧畜神として崇拝された。


アナンヌキから農耕技術と牧畜技術を与えられたことにより、人類の中石器時代が始まった。


 その後、地球の平和を乱したのものにイナンナがいる。

エンリルの孫娘、イナンナはエンリル派に属するアナンヌキで、権勢を拡大するためには手段を選ばなかった。必要とあればエンキ派のアナンヌキとも手を結び、エンリル派のアナンヌキとも敵対したという。


イナンナは地球生まれのアナンヌキで、エンリルの孫娘であるという以外に何の権力基盤もなかった。人類を利用して、地球の覇権を握ろうと画策したという。

イナンナはシュメールの王都ウルクの支配権を得た。人類の王、サルゴンと恋愛して利用、アジアからエジプトに至る広大な版図を実現した。

 ナラム・シン王は地球の王を名乗ったが、イナンアはナラム・シン王を介して世界征服をなそうとした。エンリルの支配する聖都ニップル(ニブルキ)も攻撃した。


エンリルによるアッカド帝国の滅亡とともにイナンアは失脚し、その後、

イオメソポタミアはエンリル派に忠実な王が支配したという。


エンリルとエンキという地球植民地化の立役者、二人は政界から引退し、以後、

エンリル派とエンキ派の派閥抗争は、ニヌルタとマルドックの対立となる。


 マルドックが画策した宇宙港の建設


 シュメールの古文書によれば、人類に文明を与えた直後から、地球上のアナンヌキの権力闘争が再燃し、マルドックは自分の支配する都市バビロンをシュメールの王都にしようとしたという。


航空宇宙施設はアナンヌキの生命線で、自由に使える宇宙港が建設できれば地球の覇権を奪取することが可能であった。マルドックはバビロンに宇宙港を建設して、神々のアナンヌキが地球に降り立つ時の門口にしようとした。

マルドックの陰謀はバベルの事件として旧約聖書にも記録されている。


マルドックはシュメールの支配権をエンリル派から奪取しようと思い立ち、自分の支配する都市バビロンをシュメールの王都にしようとした。

そのために彼は、バビロンの市民⦅人類⦆を扇動してエンリル派の管理を受けない宇宙港の建設に取り組んだ。


航空宇宙施設はアナンヌキの生命線であった。

マルドックの陰謀に激怒したエンリルは自ら大群を率いてバビロンへ攻め入った。

総攻撃を受けたバビロンはひとたまりもなく崩壊し、マルドックはエンキ派の領地である第二地区(エジプト)へ逃亡した。バビロンに住む人類は散り散りなった。


その後、エンリルの孫娘イナンナの反乱や失脚を経て、メソポタミアはエンリルに忠実な王によって支配されるようになった。


その時代が終わって200年後、世界を不気味な静寂が支配した。それは、新興宗教が人類の間で流行するという形で進行した。

カナンの地を中心にマルドック信仰が流行したが、本人は姿をあらわさず、

マルドック信仰のみが野火のように広がっていったという。エンリル派アナンヌキはマルドック信仰の拡大を恐れてマルドックを信奉する国を度々攻撃した。 

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