第12話 金鉱労働者として創造された人間。

エンリルは覇権を確立して、息子のニヌルタとともに地球を完全に支配して

いた。しかしながら、惑星ニビルの大気や地熱の減少は深刻で、黄金の粒子のシールドを、常に維持しておく必要があった。黄金の採掘を休むわけにはいかなかった。

反面、金鉱の採掘労働は余りにも過酷であった。


時を経て、坑道が深くなればなるほど、労働は過酷さを増して行った。

金鉱で働くアナンヌキたちの不満が日に日に増して、労働紛争が勃発しようとしていた。 自体の収拾のために、[偉大なるアナンヌキ評議会]が開かれると、

エンキは、「奴隷を創造しましょう。過酷な労働をその者たちにやらせましょう』と言った。アナンヌキ自身が金鉱で働くことをやめて、代わりに、地球上の動物に

働かせようというのであった。


地球にはその頃、アナンヌキに類似した進化途上の猿人が存在していた。

猿人とアナンヌキを掛け合わせて、アナンヌキ並みの知識を持った、ルル・アメル

(混合された労働者)を創造しようというものであった。


 エンキは、奴隷を創造して過酷な労働をやらせましょう。──我々に代わって、

奴隷に仕事をさせましょうと言った。地球に存在する猿人とアナンウキをかけあわせて、アナンヌキ並みの知性を持ったルル・アメル(混合された労働者)を創造しようとしたという。


ゼカリア・シチンの解釈によれば、これこそ、旧約聖書の創世記が描く人類の創造にほかならない。


神は言われた──我々にかたどり、我々に似せてひとを造ろう、と。


シュメールの古文書には、エンキの作業プロセスが詳細に描かれていた。


アナンヌキのテエマ(遺伝子)とシル{精子}を、清められた容器の中で地球の猿人の卵子と混ぜ合わせる。そして、その受精卵を清められた容器から鋳型へ移して、

一定期間発育させる。しかる後に、母体となるアナンヌキの子宮に着床させるというやり方である──これは、現代の試験管ベビーの手順と驚くほど似通っていることが分かる。


人類は神によって創造された──その神とは、惑星ニビルの住人アナンヌキのことであるというのである。

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