第6話 撤収しよう

 このように、いろいろ回った私であるが、日頃の運動不足がたたって体力不足に見舞われる。


 冷えピタを張れども、会場の外に出ようとも(再入場は何度でも可能)、体を包む熱気が取れないのだ。

 高揚ではない原因の熱気に、私は苦しんだ。


 かくして、15時過ぎに私は決断する。


 こ の 文 フ リ を 、 後 に し よ う と 。


 理屈の上では17時まで留まれる文フリだったが、体力の限界を感じた私は、お世話になっているサークルの皆様(第3話参照)に直接、あるいはこっそりと別れを告げ、会場を去ったのである。


 この判断が正しかったかどうかは、私にも分からない。


 ただし一つだけ、確実に言える事がある。


「 文 フ リ サ イ コ ー ! 」


 もう一度言う。


「 文 フ リ サ イ コ ー ! 」


 である。


 かくして、私の人生初の文フリは、十分な成果と良き思い出を伴って、幕を閉じたのであった。


(了)

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人生初の文学フリマに関するレポート 有原ハリアー @BlackKnight

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