第3話 聖地に行ってきまーす (妄想)後編
昨日パーティーは大盛況でした。特に私の大島紬、それも白色なのでやはり服に
携わる人たちだけにあって注目の的でした。邦彦さんの取引相手でパーティーの
主催者であるロバートさんはご先祖が貴族で実家の下着専門店が王室御用達の
看板を持つ老舗で今日のロイヤルエンクロージャーに招待くれた方です。
「邦彦さんとまた違って口髭が似合うダンディな男性でまずまず私のタイプね」
口に出すと邦彦さんがヤキモチ焼くから出せないけどと思いながら部屋で衣装の
準備をしているとロバートさんが迎えに来たと邦彦さんから声がかかり二人で
ホテルのロビーに行くとロバートさんがスーツ姿で『車までエスコートします』と
私の手を取り車までエスコートしてくれたのだが止まっている車を見てビックリ!
とても長いリムジンが止まっていて流石実家が王室御用達なだけあるわねと思いながら乗り込みました
今日の私の衣装は白を基調としたマーメイドラインのドレスに流行の花が沢山の
帽子を被っています。男性陣はシャツや小物を前日と違うものに交換しスーツは
昨日と同じ物を着用しています。
流石リムジン、車内はホテルのメインルームを小さくした様な豪華な作りで走り
始めたら早速シャンパンで乾杯してアスコット競馬場までの道のりを楽しみました
アスコット競馬場に到着、ロイヤルエンクロージャー専用の入口前にはリムジンが
並んでおり流石の雰囲気に圧倒されながら入場する。今日はスタンド内の部屋を
基地にして観戦で邦彦さん達は競馬よりファッションショーをしながら社交場と
しての集まりになっていてレースも見たいけど愛する旦那様を蔑ろに出来ないので
妻の役目をしっかり果たしました!
でも流石に2日目のメインレースになるプリンスオブウェールズSの時は邦彦さんと
一緒にロイヤルエンクロージャーの一階席で観戦していると【鈴〇淑〇さん
ですか?】と日本人観戦者から声を掛けられ(派手な帽子を被った日本人女性は
全員が淑〇さんになっちゃいますわ)と心で思いながら丁寧に「違いますわ。淑〇さん程美人ではないですけど似てると思われ光栄ですわ」と心にもない事を話し
ながらレースに注目しました。
今回のプリンスオブウェールズSの主役の一頭に我らが日本のレジェンドジョッキーが乗るシンキンゴールド号が取り上げられておりいつもの年よりも日本人観戦者や
日本人競馬関係者が多く見られます。そしてシンキンゴールド号に対するはドバイの
王様の馬で今年のドバイWCを優勝したムーンデザート号で騎手は世界一と言われる
イタリア出身の生きる伝説、デムトーロ騎手です。王様のチームは必勝の為、ラビット(簡単に言うと自陣のペースメーカー)を準備しており並々ならぬ意欲が見れて
エキサイティングなレースが期待できそうです
よいよスタート時間になり全馬ゲートイン完了してスタート!
逃げ馬のシンキンゴールド号は絶好のスタートを切り先頭に立つと後方から鞭を
入れて王様の準備したラビットのポールマン号が馬体を併せてきてペースが
上がって行きます。アスコット競馬場の芝は日本の競馬場の芝より長くより力が
いるコースな上、昨晩に雨が降りさらに力がいるコースになっていました。
通常なら逃げ馬がペースを作り最後の直線に入る前にペースを落とし(息を抜く)
残りの力を溜めたい所をポールマン号が競りかけた為、激流になり息を付けない
シンキンゴールド号は最後の直線でバテてしまい最下位に終わってしまいます。
優勝したのは王様の弟の馬で王様のムーンデザート号が満を持して先頭に出た所を
殿下の馬セイエイ号がピッタリマークをしており残り50メートルの所で抜け出し
先頭でゴールイン!と言う結果になりました。
日本と世界のレジェンドジョッキーが共に勝てなかったのも競馬の奥深さだと思いながらレースから戻ってきたシンキンゴールド号を拍手でねぎらい今回のロイヤルアスコット開催観戦は終了しました。
本当は開催全日程観戦したかったのですが邦彦さんの仕事の兼ね合いもあり残念ですが帰国となりました。
ここまでが妄想タイムでお風呂のお湯が温くなってきたので現実に戻されてしまいました。
「あー残念。もう少し楽しみたかったわ。次は何所に行こうかしら?」
アラフォー女性の残念妄想旅行は留まる所を知らないのでどこに行くのかは彼女
のみが知る次第です
つづく
アラフォー女性の妄想競馬旅行記 marudai @makaiknight
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