第2話 聖地に行ってきまーす(妄想)中編
ロンドンから約2時間でアスコット競馬場に到着!
途中、少し寄り道をしたけど渋滞に巻き込まれること無く快適なドライブ
レンタカーを駐車場に止め、競馬場まで約20分程歩くとアスコット競馬場の
入口が見えてきた。まだ人は疎らだけどみんなオシャレしているな~と
思っていると邦彦さんから【今日は通常の入口からだけど明日はロイヤルエンクロージャから入れるからね】と耳元で私だけに聞こえるように伝えてくれる
邦彦さんの仕事は洋服店の店長だが、お店はいわゆるセレクトショップで今回、
新婚旅行でロイヤルアスコット開催に行くからと現地のバイヤーに話したら
ロイヤルエンクロージャに招待してくれる事になったそうなの
入場後、早いランチを食べるために野外レストランで食事をすることに
「スタンド内は明日に取っておくべきよね」なんて思っていたら邦彦さんが
手でつまめる軽食と私用にシャンパン、自分用にスパークリングウォーターを
準備してくれていて『たくさん飲み食べすると後が大変だからね』本当に気が
利いていて最高の旦那様よね
食事中に私達の席に赤色のオートクチュールのドレスに今年の流行なのか花が沢山刺してある帽子を被った3名の20代くらいの女性から【ビューティフルキモノ!フォトOK?】と声をかけられたので一緒に撮影をしてSNSのフォローをして暫し会話を
して楽しみました
食事後、お手洗い等を済ませて時間を見ると12時30分を過ぎた所なので邦彦さんに「ロイヤル・プロセッションが14時位に始まるから見やすい所に行きましょう」と
伝え私は邦彦さんの腕に手を回してエスコートしてもらいます
よいよロイヤル・プロセッションが始まると周りの人たちの歓声や拍手が凄く特に
エリザベス女王の馬車が来た時の歓声はひと際大きくてロイヤルファミリーが
どれだけ国民に愛されているのか分かったシーンだった
そして第一レースが始まる14時30分になると競馬で盛り上がっている人達と輪に
なって飲み物片手に話をする人達と別れてきて社交場らしい雰囲気を感じる事が
出来ました。そしてその中にいる私も「セレブだわ」なんて思い違いも華々しい
事を考えていました
そして今回のロイヤルアスコットには2頭の日本馬が参戦しており1頭はエフワンチャンプ号3歳の牡馬で初日の第4レースセントジェームズパレスSに出走します。日本では2つのG1を勝っている強い馬です。騎手はイタリア人で日本に憧れ日本語を
勉強して日本の騎手試験に合格したミッソーフォン騎手です。ミッソー騎手は
日本の騎手になる前から短期免許で日本競馬に参戦して沢山の勝利とG1レースを
勝ってきました。とても期待をしています
もう1頭は2日目の第4レースプリンスオブウェールズSに出走するシンキンゴールド号5歳の牡馬で昨年の年末に香港で行われた香港Cと言うG1に優勝して
今年はフランスのG1イスパーン賞を大差勝ちして競馬の世界から一躍注目されているお馬さんです。そして騎手は競馬は知らなくてもこの人の名前は知っているの
レジェンドジョッキーさんです(あえて名前は伏せさせて頂きます)
第一レースを観ながらちょっと説明しますがアスコット競馬場のメインコース
(メイントラック)は三角形の形で構成されていて初めてコース図を見た時には
「おにぎりや!」と叫んでしまった覚えがあります。それとメインストレートの
端と端を繋げて行う直線1マイル(日本で言うと1600Mです)コースがあります。
今日の第4レースはこの1マイルコースでエフワンチャンプ号が走りますので
楽しみにしていますが話によると同じレースに怪物と呼ばれている凄く強い馬が
出てくるらしくブックメーカーのオッズも一本被りで皆さんの期待が感じられます
よいよ本日の第4レースセントジェームズパレスSが発送です。日本の競馬と違う
点はパドック周回後、本馬場に出たら時間を空けずに直ぐに出走します。その為
ゲートボーイと言う馬を落ち着かせる役目の人もいます
最後の馬がゲートに入りスタートした!ダッシュよく飛び出したのが怪物と呼ばれる
フランケンシュタイン号で先頭集団にいます。そして我らがエフワンチャンプ号は中断6~7番手に控えじっくり足を溜めている様子です。
カーブの無い直線競馬なのでどこでスパートかけるのか騎手同士の駆け引きが
火花が散っているようにみえたコースに描かれた残り400M地点でフランケンシュタイン号が猛然と飛び出していき後続との差をみるみる引き離し2着の馬に5馬身程の
差をつけて一着でゴール!我らのエフワンチャンプ号はミッソー騎手が必死に追いかけていましただ最後はバテて10頭中6着の成績でした
そしてレースが終わった馬が通る通路の傍で見ていたら優勝したフランケンシュタイン号は筋肉ムキムキでまさに怪物の名前が相応しいな~と思っていたら他の馬も続々と帰って来てエフワンチャンプ号のミッソー騎手が着物姿の私に気づいた様で
両手で【ゴメンね】とポーズをしてくれたので着物なのに手を大きく振り
「次に頑張ってねー!」大声で叫んでいました(淑女にあるまじき行為と反省)
その後は仕事兼趣味である女性のファッショチェックをスマホに収めながら私との2ショット画像も沢山撮影したら邦彦さんから『早く出発しないと渋滞が心配だね
それに夜は俺の仕事仲間がパーティーを開いてくれるので早めに帰ろう♡」
こうしてロイヤルアスコット開催初日が怒涛の如く終わりました
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