第39話 一期一会!? 帰ってきた渋谷村
「みんながお友達になれば世界から争いがなくなる! 〇〇少女ワールド。アハッ!」
真理亜、全世界70億人お友達キャンペーン実施中。
「私は帰ってきた! 我が故郷! 渋谷村!」
遂に山の手街道一周を果たし真理亜は救世主として故郷の渋谷村に帰ってきた。
「私は強くなったのだ! 山の手街道を一周できるくらいに!」
真理亜は数々の試練やクエストを乗り越えて、たくましくなって渋谷村に戻ってきたのだ。
「私は侍女王になるでござる!」
ここに侍女王決定戦のアイデアの神が舞い降りる。
「なんか超人オリンピックや天下一武道会みたいね?」
細かいことは気にしない。それが〇〇少女ワールド。
「〇〇少女ワールド・カップ! 〇〇少女ワールド・グランプリ!」
少しづつ調子が出てきた真理亜。
「ミス・〇〇少女ワールド!」
人気ランキングまで考えちゃった。アハッ!
「〇〇少女ワールド・オリンピック!」
ワールドという言葉は使い勝手が最高だった。アハッ!
「素晴らしい! 派生だな! アハッ!」
自画自賛の真理亜。
「で、オンラインゲームをやっていて思う。キャラクターが少なすぎて、無理があると。」
そこでやっぱりキャラクターは大量生産しなければいけないのだ。
「例えば、渋谷からの渋谷子。」
そういえば昔、渋井谷子とかいう本好きヒロインがいたような。
「名字に井を足すか? 原井宿子。代々井木子。新井宿子。新大久井保子。高田井馬場子・・・・・・微妙か?」
月に代わってお仕置きは「野」を名字に足していた。月野、火野、水野、木野、愛野の五人。
「天王星と冥王星は、逆に「星」を抜いて、天王はるか、海王みちるか。小賢しいな。」
それをリスペクトしようという〇〇少女ワールド。
「孫悟空。歴史上の人物? 西遊記の悟空をそのまま使用して成功しているのだから、運命の先駆けか?」
歴史の偉人は世界進出する時に世界人にウケている。それでアレクサンダーやクレオパトラ、カエサルとかでウケるのか。
「ならスーパーマンやバットマンでも別にいいじゃないか!?」
それは著作権? なんかの権利の侵害のはず・・・・・・。
「話を元に戻そう。名字を少しいじればキャラクターの名前には困らないということだ。アハッ!」
それは過去のヒット作品が実績を示している。難しく考える必要は無い。
「仮に渋谷子として、時代劇だから彼女も侍少女。」
他に沖縄子(ナオコ・オキ)とか、北海道子(ミチコ・ホッカイ、若しくはミチコ・キタウミ)で完璧。
「そして侍なら刀を持っているはず! 渋谷子なら渋谷の刀。渋谷刀。」
そのまんまじゃん。
「必殺技は、スクランブル交差点斬り!」
あくまでイメージです。
「すべての少女の頂点に立つ作品! それが〇〇少女ワールド!」
○○娘ワールド! でもいいな。 全ての○○娘とコラボできる。
「仮に車少女とすれば、トヨタでもホンダでもクライスラーでもルノーでもどこでもコラボできる。」
車少女のプリウスを作ればいいだけだもの! アハッ! お菓子少女のチョコボールを作ればいいのよ! アハッ! これからは暑いからアイス少女のガリガリくんを作るだけ! アハッ!
「お金の匂いがプンプンしてきますな! アハッ!」
いや~これだけの発想力のある人間が埋もれているのは勿体ない。よっぽど使えない編集者より優秀だろう。アハッ!
「しかし、全コンテンツを投入すると1話で5000字を超えてしまう!?」
ドラえもんやアンパンマンみたいに1話10分で、子供にも誰にでも分かりやすい物語からはかけ離れた内容になってしまっている。
「悩みが多いな。私って罪深い女だわ。」
「少女だよ。お姉ちゃん。少しズレてるよ。」
「もうそろそろ本編に戻らないと渋谷村に帰ってきた意味がないんだけど。」
「アハッ!」
妹の楓とお友達のアリアからツッコまれ、笑って誤魔化す真理亜。
「師匠!」
その時、真理亜に声をかける少女がいた。
「おまえは!? ・・・・・・誰だっけ?」
「おバカ師匠!?」
「アハッ!」
笑って誤魔化す真理亜。
「私は渋谷村で留守番するように師匠に言われた者ですよ!?」
「そういえばいたような?」
山の手街道一周をして、すっかり忘れている真理亜。
「よくぞ待っていた! 正に忠犬ハチ公だ!」
「ワン!」
「よしよしよし。カワイイ奴だ。お座り。」
「ワン!」
「三回回ってワン。」
「ワンワンワン!」
久しぶりの再会でも仲良しの師弟。
「よし! ご褒美におまえに名前をやろう!」
「名前!? 遂に名無しの権瓶から解放されるのですね!? やったー! うれしい! 師匠を信じていて良かった! キター!!!!!!!!!!!!!!!!」
大喜びの弟子。
「今日からおまえの名前は、渋谷子だ!」
「今日から私は、渋谷子!」
弟子の名前は渋谷子に決まった。
「渋井谷子ではダメですか?」
「そこは進化とか、出世とか、もう一段階を踏もうね。」
「名字を得るのは難しいのですね。」
苗字を作るのは本当に難しいのだ。
「はあっ!?」
その時、谷子が何かに気がついた。
「師匠! あんたがタイトルをまたいで来なければ、今作の主人公は私だったはず!」
谷子は大切なことに気が付いてしまった。
「さあ、楓。実家に帰ろうね。」
「やったー! お父さんとお母さんに会える!」
「私も帰ろう。」
「ついてこないでよ。アリアちゃん。」
「え? うち、真理亜ちゃん家の隣なんだけど。」
「あ、そっか。アハッ!」
真理亜たちは自宅に帰って行く。
「こらー! 人の話を聞け! 一度だけでもいいから!」
弟子は師匠に置いていかれて、渋谷村のハチ公象の前で叫ぶ。
つづく。
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