第33話 悲しみのマグロ少女

「私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主! タイキック侍少女、真理亜! ガパオの掟は私が守る! アハッ!」

「こんな姉でごめんなさい。」

 真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!


「次は目白村でござる。」

「ござる、ござる。そうでござる。」

 真理亜と楓の大神姉妹は次の目的地まで、野盗や陸にあがった海賊と戦いながらレベルアップしながら、途中のお茶屋さんでお茶と団子食べて回復しながら山の手街道一周の武者修行の旅をしている。

「師匠! おバカ師匠!」

「こらー! 誰がおバカ師匠だ!?」

 そこに弟子のジョージを加わった。

「みんなでお散歩、楽しいな。」

 そこに真理亜の永遠のお隣さん、魔法少女アリアが加わった。

「分かった! 謎が解けたぞ!」

 真理亜があることに気づいてしまった。

「世間でロナ・ウイルスが流行しているから、ロナ・ウイルス関係は世間一般では注目されていて関心が高く、アクセス数が伸びるはずだ! というのが世間の常識のはず・・・・・・・。」

 しかしアクセス数は伸びない。元からネット小説投稿サイトなどに人がいないというのもオチである。

「だが、あるネット小説投稿サイトではコを足したロナ・ウイルスはNGワードになっている! これは何を意味するのか!?」

「少女だからさ。」

 どこかからか神の声が聞こえてくる。

「やはり正義貫徹! 正義が悪を倒さなければいけないのだ! これが世界の常識だ!」

 ラノベだから面白ければ何でも良いというのは違うのかもしれない。しかし今時のアニメになっている作品を見れば、たいして変わらん内容にしてあるのだが。

「アメリカン・ヒーローか。」

「面白い作品を作るって大変だな。」

「もっと大変なのは、面白いものを描いても、それが世に出ないということですよ。」

「世に出したければ出版社か、アニメーション制作会社に就職して、お抱えの作家さんになる方が自分の作品を世に出すのは早い。コネ持ちだ。」

「アイデアが無くて、素人の作品をパクるとアニメーション制作会社は暴徒によって炎上したがな。」

 プロやコネ持ちのすることじゃないわな。何もしなければ何もないのに。

「疲れた。お茶でも飲んで行こう。」

「おお!」

 休憩することは一致団結する救世主様御一行。

「いらっしゃいませ。茶店にようこそ。」

 茶店少女が笑顔で真理亜御一行様を迎えてくれる。

「こらー! 目白! 何もないぞー!」

「ないですね。何もありません。」

「アハッ!」

 ふと思うと山の手街道は何も無い村が多い。

「私は何があっても楓を守ってみせる!」

 真理亜は妹思いの優しい少女。

「ありがとう! 真理亜お姉ちゃん!」

 そんな姉が大好きな妹の楓。

「また物語のために不幸を起こす気だ!?」

「それが不謹慎で不届き者だってことが分からないんですか!? 師匠!」

 アリアとジョージの声は真理亜には届かない。

「それではうちの助さん格さんを呼び出したみたいに、タイキック少女! 真理亜の名において命じる! いでよ! 新しい妖怪! タイキック・サモナー!」

「サイキック少女だよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 真理亜は超能力召喚で新しい妖怪を呼び出した。

「妖怪! 半魚人少女! その名もメジロ・マグロ! メジメジ!」

 現れたのはマグロ少女だった。

「よく来た! マグロ少女!」

「お呼びですか? 真理亜様。」

「おまえにエサを与えよう。」

「エサ?」

「キャアアアアアアー!? 助けて!」

 目白の茶店少女が現れる。

「どうして!? こんな酷いことをするの!?」

「これも妹の楓を守るためだ! 許してくれ!」

「そ、そんな!?」

「成功のために犠牲は付き物さ。アハッ!」

 妹を守るためなら何でもする優しい姉の真理亜。

「こいつを食え!」

「いただきます。パクッ! 美味しい!」

 真理亜はマグロ少女に目白少女を飲み込ませる。

「でも、目白に釣り堀なんかあったかな?」

 メジロ・マグロ少女のの悲しみであった。 

「さあ! メジロ村でマグロを養殖するんだ!」

「いや、それは無理でしょ・・・・・・。」

 この物語はフィクションである。

「マグロの養殖所となった目白村を私が颯爽と現れて妖怪を倒し、目白村に平和を取り戻させるというゴールデン・ストーリー! まさに世紀末アハ救世主伝説!」

「自画自賛の荒しだわ。」

「アハッ!」

 会場の座布団が飛びまくるのであった。

「これも全て! 妹の楓が平和に暮らすためなのだ! 私は楓のためならなんでもできる! 例え、この手を黒く染めてでも!」

「お姉ちゃん! ありがとう!」

「アハッ!」

 真理亜は妹思いの優しい少女である。

「助けてください!」

 そこに第一目白少女が現れた。

「どうしたんですか?」

「実は・・・・・・悪代官が村人をこき使って、マグロの養殖所を作ろうとしてるんです。」

「なに!? マグロの養殖所のアイデアは私たちのものだ!」

「そこかい・・・・・・。」

 悲しみの目白少女の悲劇的伝説であった。

「悪代官をぶっ飛ばすぞー!」

「ありがとうございます! 救世主! 真理亜様!」

 真理亜たちは代官所に向かう。

「頼もう!」

 お約束のスタイルで代官所に乗り込む。

「何者だ!?」

「問答無用! ガパオ流奥義! トムヤムクン!」

「サイキック刀! 楓流奥義! 700連撃!」

「魔法刀! 魔法奥義! 魔法斬り!」

「ガパオ流二刀流奥義! トムクルーズ! トムハンクス!」

 次々と悪代官に必殺技を放り込む真理亜たち。

「ギャアアアアアアー!? やられた!?」

 倒された悪代官。

「目白村! 獲ったぞ! アハッ!」

「ありがとうございます! 救世主様!」

 こうして平和が訪れた池袋村であった。

 つづく。

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