第32話 悲しみのフクロウ少女
「私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主! タイキック侍少女、真理亜! ガパオの掟は私が守る! アハッ!」
「こんな姉でごめんなさい。」
真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!
「次は池袋村でござる。」
「ござる、ござる。そうでござる。」
真理亜と楓の大神姉妹は次の目的地まで、野盗や陸にあがった海賊と戦いながらレベルアップしながら、途中のお茶屋さんでお茶と団子食べて回復しながら山の手街道一周の武者修行の旅をしている。
「師匠! おバカ師匠!」
「こらー! 誰がおバカ師匠だ!?」
そこに弟子のジョージを加わった。
「みんなでお散歩、楽しいな。」
そこに真理亜の永遠のお隣さん、魔法少女アリアが加わった。
「なかなか終わらないな。ロナ・ウイルス。」
「ロナ・ウイルス?」
「どこかのネット小説投稿サイトがコを足すとNGワードで投稿できなくしたために、コを除いた新型ロナ・ウイルスが誕生したのだ。」
「世界を支配しているロナ・ウイルスをNGワードにしちゃうなんて、何を考えているのよ!? 世間の話題でしょ! 不謹慎とは別ものよ!」
「さすが師匠! 世界の平和を考えていたんですね!」
「当たり前よ! なんてったって! 私は救世主!」
「世界をお笑いで支配するのがアハ教なんでしょ? 偽救世主。」
「アハッ!」
「お姉ちゃんの本当の目的は、アハ教の布教による世界征服です。」
「アハッ!」
新型ロナ・ウイルスを熱く語る救世主様御一行。
「日常会話もこんなもんで面白カッコイイだろう! アハッ!」
「まさか!? そのために生み出された新型ロナ・ウイルス!?」
こうして世界に新型ウイルスは散布されたのだった。
「ジョージ。」
「なんですか?」
「お池にフクロウがはまってるから助けてきてあげて。」
「え? 池に梟がはまって溺れてる?」
「そうなの。いけにふくろう・・・・・・池袋なんちゃって!」
「座布団1枚!」
「アハッ!」
「持って行って!」
「そんな!? やめて!? 私の座布団を返して!?」
悲劇のヒロインの誕生である。
「いらっしゃいませ。茶店にようこそ。」
茶店少女が笑顔で真理亜御一行様を迎えてくれる。
「あ! 救世主様! 先ほどは池にはまって溺れていた私を助けてくれてありがとうございました。」
「どういたしまして。救世主としては当然のことをしたまでですよ。」
「ほ、本当に少女が池でおぼれていたのか!?」
「フン。この不届き者が! おまえなんか弟子を破門にしてやるぞ!」
「お許しください!? 師匠!?」
「分かればいいのだよ。分かれば。」
「どこまでもついていきます! 師匠!」
「アハッ!」
師弟愛が深まる。
「こらー! 池袋! ・・・・・・言ってみただけ。」
「そうですよね。池袋にはサンシャイン60があるから何もないとは叫べませんよね。」
「アハッ!」
茶店少女は真理亜より優位に話を進める。
「私は何があっても楓を守ってみせる!」
真理亜は妹思いの優しい少女。
「ありがとう! 真理亜お姉ちゃん!」
そんな姉が大好きな妹の楓。
「まさか!? この流れは!?」
「あれをやるというのですか!? 師匠!?」
アリアとジョージは悪寒に教われた。
「それではうちの助さん格さんを呼び出したみたいに、タイキック少女! 真理亜の名において命じる! いでよ! 新しい妖怪! タイキック・サモナー!」
「サイキック少女だよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」
「アハッ!」
真理亜は超能力召喚で新しい妖怪を呼び出した。
「妖怪! 醜い少女! その名もゴブリン! ゴブゴブ!」
現れたのは醜い少女だった。
「よく来た! 醜い少女!」
「お呼びですか? 真理亜様。」
「おまえにエサを与えよう。」
「エサ?」
「キャアアアアアアー!? 助けて!」
池袋の茶店少女が現れる。
「どうして!? こんな酷いことをするの!?」
「これも妹の楓を守るためだ! 許してくれ!」
「そ、そんな!?」
「犠牲は付き物さ。アハッ!」
妹を守るためなら何でもする優しい姉の真理亜。
「こいつを食え!」
「私より美しいのは真理亜様だけ! それ以外の者は許さない!」
「そうだ! 美しいのは私だけでいいのだ! アハッ!」
これが救世主、真理亜だ。
「パクッ!」
真理亜は妖怪に池袋少女を飲み込ませる。
「美しさは罪だ! 微笑みさえ罪!」
「ああ・・・・・・もう少し美人に生まれたかった。」
不細工なゴブリンの悲しみであった。
「さあ! 池袋村をフクロウ・パークに変えるんだ!」
この物語はフィクションである。
「そして美少女をフクロウに変えてしまえ! 美しいのは私だけでいいのだ!」
「はは! 真理亜様!」
「頑張ってくれ。期待してるぞ。」
「真理亜様に忠誠を誓います。」
「ニヤッ。」
顔が緩む真理亜。
「フクロウ・パークとなった池袋村を私が颯爽と現れて醜い少女を倒し、池袋村に平和を取り戻させるというゴールデン・ストーリー! まさに世紀末アハ救世主伝説!」
「自画自賛の荒しだわ。」
「アハッ!」
会場の座布団が飛びまくるのであった。
「これも全て! 妹の楓が平和に暮らすためなのだ! 私は楓のためならなんでもできる! 例え、この手を黒く染めてでも!」
「お姉ちゃん! ありがとう!」
「アハッ!」
真理亜は妹思いの優しい少女である。
「助けてください!」
そこに第一池袋少女が現れた。
「どうしたんですか?」
「実は・・・・・・悪代官が村人をこき使って、池袋サンシャイン60の掃除をやらせるんです。」
悲しみの池袋少女の悲劇的伝説であった。
「悪代官をぶっ飛ばすぞー!」
「ありがとうございます! 救世主! 真理亜様!」
真理亜たちは代官所に向かう。
「頼もう!」
お約束のスタイルで代官所に乗り込む。
「何者だ!?」
「問答無用! ガパオ流奥義! トムヤムクン!」
「サイキック刀! 楓流奥義! 700連撃!」
「魔法刀! 魔法奥義! 魔法斬り!」
「ガパオ流二刀流奥義! トムクルーズ! トムハンクス!」
次々と悪代官に必殺技を放り込む真理亜たち。
「ギャアアアアアアー!? やられた!?」
倒された悪代官。
「池袋村! 獲ったぞ! アハッ!」
「ありがとうございます! 救世主様!」
こうして平和が訪れた池袋村であった。
つづく。
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