第31話 悲しみのギガンテス少女

「私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主! タイキック侍少女、真理亜! ガパオの掟は私が守る! アハッ!」

「こんな姉でごめんなさい。」

 真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!


「次は大塚村でござる。」

「ござる、ござる。そうでござる。」

 真理亜と楓の大神姉妹は次の目的地まで、野盗や陸にあがった海賊と戦いながらレベルアップしながら、途中のお茶屋さんでお茶と団子食べて回復しながら山の手街道一周の武者修行の旅をしている。

「師匠! おバカ師匠!」

「こらー! 誰がおバカ師匠だ!?」

 そこに弟子のジョージを加わった。

「みんなでお散歩、楽しいな。」

 そこに真理亜の永遠のお隣さん、魔法少女アリアが加わった。

「そろそろ最終回に向けて、オープニングも変えるべきか?」

 真理亜は真剣に悩んでいた。

「世界は魔人によって滅ぼされようとした。その時、一人の少女が現れて魔人を倒した。その少女は〇〇少女と呼ばれた。世は正に〇〇少女時代!」

 韓国アイドルじゃないよ。アハッ!

「その前に普通の人間になろうね。お姉ちゃん。」

「おかしなことを言わないで!? まるで私が普通の人間じゃないみたいじゃない!?」

「そうだよ。今更気づいたの?」

「知ってるわい! だって私はタイキック少女だもん!」

「サイキック少女よ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 笑って誤魔化す真理亜。

「山の手街道編の次も考えないと、鬼滅の刃みたいに終わっちゃうのよね。」

 やはり日常モノは強し。

「そういえば、山の手街道もあと少しだわ!? ちゃんと新宿村で終われるのかしら?」

 不安は尽きることがない。

「師匠。心の声が漏れているでござる。」

「相変わらず長い独り言だな。」

「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。」

 弟子と永遠のお隣さんと妹はおバカな姉の心配をする。

「ポカリスエットはどこ?」

「だからポカリスエットなんてないわよ。時代劇なんだから。」

「え? なんで? 大塚でしょ? ポカリスエットじゃない!」

「そのまんまかい!?」

「アハッ!」

 掴みはOK。

「いらっしゃいませ。茶店にようこそ。」

 茶店少女が笑顔で真理亜御一行様を迎えてくれる。

「こらー! 大塚! 何にもないぞ!」

「はい! 何もありませんが、それが何か?」

「え・・・・・・。」

「お客様!? 大丈夫ですか!?」

「アハッ!」

 茶店少女が素直に認めたので言葉を無くす真理亜。

「私は何があっても楓を守ってみせる!」

 真理亜は妹思いの優しい少女。

「ありがとう! 真理亜お姉ちゃん!」

 そんな姉が大好きな妹の楓。

「何か悪い予感がする・・・・・・。」

「師匠はいったい何をする気だ!?」

 アリアとジョージは悪寒に教われた。

「それではうちの助さん格さんを呼び出したみたいに、タイキック少女! 真理亜の名において命じる! いでよ! 新しい妖怪! タイキック・サモナー!」

「サイキック少女だよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 真理亜は超能力召喚で新しい妖怪を呼び出した。

「妖怪! 一つ目少女! その名もギガンテス! ギガギガ!」

 現れたのは一つ目少女だった。

「よく来た! 一つ目少女!」

「お呼びですか? 真理亜様。」

「おまえにエサを与えよう。」

「エサ?」

「キャアアアアアアー!? 助けて!」

 大塚の茶店少女が現れる。

「どうして!? こんな酷いことをするの!?」

「これも妹の楓を守るためだ! 許してくれ!」

「そ、そんな!?」

「犠牲は付き物さ。アハッ!」

 妹を守るためなら何でもする優しい姉の真理亜。

「こいつを食え!」

「ええー!? 素直ないい子なのに!?」

「純粋で若い女は美味しいぞ! アハッ!」

 これが〇〇少女ワールド。

「いいから食えよ! アハ神様の祟りが怖くないのか! 食え!」

「パクッ!?」

 真理亜は一つ目少女に大塚少女を飲み込ませる。

「美味しい! とってもジューシー!」

「だろ! 私の言った通りだ!」

「おかわりください!」

「そんなものはない。」

「ガッカリ。」

「アハッ!」

 これが一つ目少女の悲しみ。

「さあ! 大塚を少女寺に変えるんだ!」

 この物語はフィクションである。

「そして尼僧を門下にすれば、美少女を食べ放題だぞ!」

「美味しそう! やります! やらせてください!」

「頑張ってくれ。期待してるぞ。」

 ノリノリの一つ目少女。

「ニヤッ。」

 顔が緩む真理亜。

「少女寺となった大塚村を私が颯爽と現れて一つ目少女を倒し、大塚村に平和を取り戻させるというゴールデン・ストーリー! まさに世紀末アハ救世主伝説!」

「自画自賛の荒しだわ。」

「アハッ!」

 会場の座布団が飛びまくるのであった。

「私は楓のためならなんでもできる!」

「お姉ちゃん! ありがとう!」

「アハッ!」

 真理亜は妹思いの優しい少女である。

「助けてください!」

 そこに第一大塚少女が現れた。

「どうしたんですか?」

「実は・・・・・・悪代官が村人をこき使って、スポーツ飲料を大量生産して荒稼ぎしてるんです!」

 悲しみの大塚少女の悲劇的伝説であった。

「やっぱりポカリスエットかよ!?」

「他に思いつかないんだ。後は大きな塚に巣鴨の赤いふんどしミイラでも封印しとくか?」

「良かったね。一つダンジョンが出来たじゃん!」

「やったね! アハッ!」

 タダではこけない救世主様。

「悪代官をぶっ飛ばすぞー!」

「ありがとうございます! 救世主! 真理亜様!」

 真理亜たちは代官所に向かう。

「頼もう!」

 お約束のスタイルで代官所に乗り込む。

「何者だ!?」

「問答無用! ガパオ流奥義! トムヤムクン!」

「サイキック刀! 楓流奥義! 700連撃!」

「魔法刀! 魔法奥義! 魔法斬り!」

「ガパオ流二刀流奥義! トムクルーズ! トムハンクス!」

 次々と悪代官に必殺技を放り込む真理亜たち。

「ギャアアアアアアー!? やられた!?」

 倒された悪代官。

「大塚村! 獲ったぞ! アハッ!」

「ありがとうございます! 救世主様!」

 こうして平和が訪れた大塚村であった。

 つづく。

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