第27話 悲しみの日陰少女
「私がガパオ流ムエタイの正統継承者! 一子相伝にして最強のアハ殺拳! 世紀末アハ救世主! タイキック侍少女、真理亜! ガパオの掟は私が守る! アハッ!」
「こんな姉でごめんなさい。」
真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中!
「次は西日暮里村でござる。」
「ござる、ござる。そうでござる。」
真理亜と楓の大神姉妹は次の目的地まで、野盗や陸にあがった海賊と戦いながらレベルアップしながら、途中のお茶屋さんでお茶と団子食べて回復しながら山の手街道一周の武者修行の旅をしている。
「師匠! おバカ師匠!」
「こらー! 誰がおバカ師匠だ!?」
そこに弟子のジョージを加わった。
「みんなでお散歩、楽しいな。」
そこに真理亜の永遠のお隣さん、魔法少女アリアが加わった。
「ここは何にもない村なのね?」
西日暮里村はお隣の日暮里村に比べると何もなかった。
「日暮里村に良いとこを取られて、特産品や名物がないのね。」
まさに悲しみの大都会の日陰の西日暮里村であった。
「何もないのが特徴だ! アハッ!」
開き直る真理亜。
「はあ!?」
その時、真理亜が気がついた。
「色々な作品が物語は同じパターンだけど、それなら設定やシーンを変えて山の手街道を一周すればいいのよ! そいうことにしましょう! アハッ!」
新しい可能性にたどり着いた真理亜は絶好調。
「おお!? 鬼滅の刃は延命せずに素直に連載終了か。偉いな。」
女性作家、福岡に帰る。家庭の事情らしい。既に印税20億らしい。ネットのニュースより。連載やめて自由になっても痛くも痒くもない。おそらく漫画の絵が汚な過ぎて、アニメで売れたのがショックだったのだろう。進撃の巨人は延命してずるずるしてるが終わるしかないだろう。
「やはり最初のインパクトか?」
第一話で妹が鬼にされる。家族が鬼に皆殺しにされる。巨人にお母さんが食べられる。第一話、不幸から始まる節。最近のヒット作は全部これ。
「悲しいね。」
他人の不幸は蜜の味。不幸な現実を生きている人間は自分より負け犬を好み、自分が上位でありたがる虫けら。それが現代人だ。
「最終的には戦闘モノ。」
どんなに悲しみと言いつつも、中身は妖怪と、巨人との人間の戦闘でしかない。北斗の拳、聖闘士星矢、るろうに剣心、ドラゴンボールなどと一緒。名探偵コナンは事件と戦っている。
「物語より戦闘シーンで成り立つのが物語?」
多少の疑問はあるがメインストーリーは戦闘モノ。人気作になれば日常や時事モノで延命して印税をガッポリ稼ぐんだ。アハッ!
「異世界ファンタジーのモンスターを妖怪・妖にしよう。」
どうせ、妖怪やモンスターも置き換えであることには違いはない。キャラクター・デザイナーのイメージ仕事が簡易化されてお得。
「スライムに家族が食べられる。」
「大ガラスに家族がつつかれる。」
「大ナメクジに家族が舐められる。」
どれも悲劇的伝説ね。
「でも、どれも緩い。もっと悪役が必要よね。ピッコロ大魔王やフリーザみたいな奴が。」
でもしょっぱなから、そこまで悪い奴がいるだろうか?
「ブラッククローバーの魔人的な奴よ。」
ラスボスを初っ端にぶち込む必要性がある。
「家督争いで跡取りのジョージを追い出した、悪の奥方の悠里じゃダメかしら? 息子の北山を北島家の御党首の娘と結婚させて、北島家を乗っ取るという素晴らしい悪党よ。」
「なんだろう? 何かが物足りない。それじゃあ、現代ドラマの韓国ドラマよ。」
「じゃあ、どうしろと?」
「実は悠里は悪魔に取り憑かれていたなんかどうかしら?」
「それって、ブラッククローバー、そのままじゃん。」
「じゃあ、実は悠里は殺されていて、双子の妹が悠里に成りすましてたっていうのはどうかしら?」
「それって聖闘士星矢の教皇が殺されて、ゴールド聖闘士が教皇やってましたといっしょじゃん。しかもポセイドンに唆されていましたで続編に続くし。」
「俺の名前を言ってみろ。」
「それはジャギ。」
「もっこり!」
「それはシティーハンター。あれは1話完結ものだから、永遠と続けられる。エロ描写を入れておけば男性ファンは最低数は確保できるからね。」
「あんなエロ低俗な作品、よくPTAが許したわね。」
「バブルよ。バブル。現代では深夜アニメかネットでしか無理。」
話がまとまらない。
「イライラする!?」
真理亜は不機嫌であった。
「助けてください!」
そこに第一西日暮里村人が現れた。
「なんじゃい!? しばくぞ!?」
「実は・・・・・・悪代官がスポットライトが当たらないことをいいことに陰でこっそり村人たちを働かせてお金をむしり取っているんです。」
日陰少女の悲劇的伝説。
「ストレス発散じゃ! 悪代官をぶっ飛ばすぞー!」
「ありがとうございます! 救世主! 真理亜様!」
真理亜たちは代官所に向かう。
「頼もう!」
お約束のスタイルで代官所に乗り込む。
「何者だ!?」
「問答無用! ガパオ流奥義! トムヤムクン!」
「サイキック刀! 楓流奥義! 400連撃!」
「魔法刀! 魔法奥義! 魔法斬り!」
「ガパオ流二刀流奥義! トムクルーズ! トムハンクス!」
次々と日暮里の悪代官に必殺技を放り込む真理亜たち。
「ギャアアアアアアー!? やられた!?」
倒された悪代官。
「カット!」
「え!?」
「勝手に死ぬな! 次につながるように言い残してから死ね! 無駄時には許さんぞ!」
「そんなアホな!?」
倒れたいけど倒れられない悪代官。
「テイク2.」
「人間だけが敵と思うなよ! この世には目には見えない妖怪・妖もいるのだからな! バタッ。」
「40点。まだまだね。でも次回に繋がったな。アハッ!」
悪代官の無茶ぶりリレーは続く。
「西日暮里! 獲ったぞ! アハッ!」
真理亜の救世主伝説は続く。
つづく。
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