第48話


正直、凪がどこに住んでいるのか気になる。

寮の部屋って?


「男子寮なの?」


「男子寮以外どこの寮なの?僕は男だから女子寮には住めないよ」


凪はにこにこ笑いながら告げてくる。

男子寮か、男子寮ってことは凪は誰の猫様なんだろう?

まさか、アレキサンドライト様じゃないよね?


「凪は誰と一緒に寮で暮らしているの?」


「???」


私が訪ねると凪は首を傾げてしまった。

凪は猫様だから、誰かと一緒の部屋で暮らしているのかと思ったんだけど、違ったのかしら?


「僕は一人部屋だよ?というか、この学園の寮は一人部屋しかないよ?ああ、使用人ってことなら一緒にいるけど・・・」


「あれ?一人?」


この学園って猫様には一人部屋が割り当てられているんだっけ?

でも、使用人って?

猫様にも一人使用人がつくのかしら?


疑問符だらけで頭がくらくらしてくる。


「?よくわからないけど、華、僕の部屋に遊びにおいでよ!」


「え?ちょっと凪?」


混乱している私の手をとって、凪は歩き出した。

私は、凪に引きずられるような形になりながら、凪に着いていった。





凪は私を凪の部屋につれていきたいのか、男子寮がある方向に歩いていく。

でも、その過程でふと気づく。


「凪?男子寮って女子禁制じゃなかったっけ?」


この学園の男子寮は女子禁制。反対に女子寮は男子禁制になっている。

だから、私は凪の暮らしている男子寮に入れないはずなのだ。


「女子禁制だけどね?僕らは特別なんだ。ちゃんと管理人さんの前を通ってもなにも言われないはずだよ。ほら、行こう」


「え?ええ?」


凪が何を言っているのかわからない。凪が特別?

凪たちが特別?

凪たちって誰を示しているの?


凪に連れられるがまま、男子寮に入っていく。途中管理人室の前を通った際に管理人がこちらを見ていたが、凪の姿を認めると何も言わずに私を通してくれた。


凪の言う通り、凪と一緒なら私も男子寮に入れるみたいだ。


凪に連れられるがまま絢爛な廊下を歩き、エレベーターに乗り込む。

この寮は10階建てだ。

10階は王族関係者が使用する部屋になっている。今年の王族関係者はアレキサンドライト様しかいないはずだから、10階はアレキサンドライト様だけが生活している。


凪は何階を押すのだろう?

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