第16話
アレキサンドライト様、いつの間に目の前に・・・。
「あ、あの・・・」
私の言葉聞こえてしまったのかしら。
不審者よね。
あんな言葉。
「ヒロインちゃんって?イベントって?何?レコンティーニ嬢」
やっぱり、聞いていたか。
にっこり笑いながら問いかけてくるが、その目は笑っていない。
なんとか、ごまかせないかしら。
「あ、あの聞き間違いじゃ・・・」
「それはあり得ないね。ちゃんとに、この耳で聞いたよ」
にっこり。
なんだか、腹ぐろい笑みがアレキサンドライト様の顔にうかぶ。
あれ?こんなキャラだったかしら。アレキサンドライト様って。
ゲームではこんな腹ぐろいような笑みは浮かべなかったはずなんだけど。
やっぱり、ゲームと原作では違うということかしら。
「あ、あの、そろそろ教室に向かわなければ遅刻してしまいます。新学期早々遅刻したくはありませんわ」
そう言って私は校舎に足を向ける。
「まあ、今はそれで許してあげるよ。
でも、そのうち必ず聞き出して見せるからね」
アレキサンドライト様から逃げるように校舎に入って行った私は気付くこともなかった、アレキサンドライト様が発した言葉も表情も。
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