第15話
そして、季節は巡り私は15才になった。
乙女ゲームの舞台が始まった。
あれからヒロインちゃんとは仲良くしている。
乙女ゲームのことで、相談しあったりもしている。正直、今のところ心強い味方だと思っている。
そして、私はヒロインちゃんに猫様との接し方をスパルタ教育した。
ふふ。大変でしたわ。
ヒロインちゃんったら、猫様はミルクが好きなのよ!とか言いなかがら、人間用の牛乳をあげてしまいましたのよ。
猫様たちは乳糖が分解できないからお腹を壊してしまいますのに。
猫様に仲良くしてもらおうと必死で、追いかけまわしていたりするし。そんなに追いかけまわしていたら、猫様に嫌がられるのに。
さらには、猫様と目をあわせてじぃぃぃぃぃぃぃっと穴が開くんじゃないかというほど、見つめあってるし。
敵認定されてるよ、それ。
猫様と目線があったら、そっと目線をはずす。それが友好的な証なのに。
ヒロインちゃんは悉く、猫様にとってマイナスなことをおこなってきた。それを、私が指導して、なんとか及第点といったところまでに成長した。
それでもまだ、猫様に嫌われてもいないけど、好かれてもいないといった微妙なところではあるが。
私?
私はもちろん、この5年で猫ハーレムを築いたわ。
いつの間にか私にの部屋には5匹の猫様たちが来るようになったの。
そして毎日5匹の猫様たちと一緒に寝て、一緒に起きるの。なんて、素晴らしい日々なのかしら。
5匹の猫様の紹介は追々していくとして、乙女ゲームの開始時期になったのよ。
ヒロインちゃんとは仲良くしているから、なんとか追放されなきゃいいけど。まあ、されてもいいんだけどね、追放。でもやはり、追放されるとなると、家族にも迷惑をかけてしまうし、できれば追放は避けたい。
でもね、追放されたら追放されたで、田舎で猫様ハウスを作るのよ。そして、猫グッズを作成して販売するの。
うふふ。
趣味と実益を兼ねてるなんて最高だわ。
っと話がそれた。
そろそろ、ヒロインちゃんとメインヒーローのアレキサンドライト様との出会いのシーンがやってくるわね。
シナリオ通りにいくかどうかわからないけど。
こっそりと、植え込みの影から校舎の入り口を伺う。
道に迷ったヒロインちゃんが猫様に案内されて遅刻ギリギリに登場するのよね。そして、そこでアレキサンドライト様と出会うの。
うふふ。
どうなるのかしら。
あ、ヒロインちゃんんが来たわ。
猫様は・・・・・・あれ?
猫様いない!!
もしかして、ヒロインちゃん道に迷ってないの?
このままイベントスルーかしら。
ワクワクドキドキしていると、ふくらはぎを柔らかい毛が撫でた。ゆっくりと視線を下に向けると、そこにはティーガいた。そして、じっとこちらを見上げてくる。
それから首をかしげる。
その姿は、「何をしているの?」と無邪気に問いかけているようだ。
「ティーガ様、おはようございます。私が何をしているかですって?ヒロインちゃんを見守っているのよ。ここで、アレキサンドライト様と、ヒロインちゃんの出会いイベントがおこるんだから」
「出会いイベント?ヒロインちゃん?」
どこからか聞きなれた声が聞こえる。
辺りをキョロキョロ見渡すが、誰もいない。
「誰?」
しばらくキョロキョロしていると、目の前が黄金いろに染まった。
アレキサンドライト様・・・。
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