第2話


ヒロインが転入してくるのは、15才になってから。


とある男爵令嬢として引き取られてから、この学園に入学してくる。


ヒロインが転入してくるまで、約5年。


その間にスローライフを送るための準備をしなければ。


ヒロインの悪口を猫に言うつもりはないが、強制力が働く可能性もある。


何もやらないよりかは、来る追放に備えていかに過ごしやすくスローライフを送るために今からやるべきことは沢山ある。


まず第一に追放後の資金集め。


公爵家を追放されるにあたり、その後の生活費が公爵家の父母から貰えるのかどうかがゲームでは語られていない。


ただ、公爵家から追放になり田舎に送られるだけの描写になっている。


不安の種は刈り取らねば!ということで、まずは資金集め。


公爵令嬢がこそこそ資金集めをおこなっても怪しく思われないのはなんだろう・・・。


学園内を歩きながら、何かお金になる仕事はないかと考える。




「シャーッ!!」


「!?」




これは!?


猫様が威嚇している時の声!?


いつの間にか、学園の裏庭に来てしまった私は猫の威嚇する声をきいて、ほおっておけずに猫の姿を探す。




「いた!」




黄金色の猫は、桃色の髪の可愛い女の子の腕に抱かれて、威嚇と唸り声を繰り返している。




「貴女!その子怒っているじゃない。離してあげなさい」




「余計なお世話よ!この猫はね、第一王子アレク様に繋がる猫なんだから交流を図っているのよ。」




「えっ?」




桃色の女の子はヒロインでした。


おかしい。


ヒロイン入学まではあと5年あるのに・・・。




いきなり計画が破綻した・・・ような気がした。




ってか、ヒロインも転生者・・・?


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