ED.NO66

 


………


〜アメリカ合衆国 西部 ネバダ州


かつて眠らない街と呼ばれた場所にて〜




「アーハッハッハッハッハッ!! ウィッーーーン! アアアイム、ウイイイイナアアア!! 」



 ドレッド姿の男が、高らかに叫ぶ。


 両手には三原色に染められた子どもが遊ぶおもちゃのような銃を構えて、白衣を所々青い血に染めながら、高らかに笑う。



 そこは砂漠に輝く罪の街、まだ世界が終わっていない頃には眠らない街と呼ばれた享楽の廃墟。



 辺り一面の怪物の死骸、その中で白衣の男はドレッドヘアを振り乱し、高らかに笑い続ける。



「イエエエエエエエエイ!! これで通算53回目のクリーチャーホードの撃退だ!! ああああ、ワタシは自分の天才ぶりが怖いいいいい!!」



「博士、どうでもいいけど、なんかでかいのが近付いてるよ。グレゴリがそう言ってる」



 白衣にドレッドの男が、傍らにちょこんと立つ灰色の男の子の言葉に笑う。


 男の子は丸腰、ジーパンにぶかぶかのTシャツ姿。それでもその男の子にも、青い返り血が所々見受けられた。



「ブライト君!! 素晴らしいじゃあないか!! もう、グレゴリの早期警戒システムを利用できるようになったのだね! アッハッハッ! ワタシのスカウトの有能っぷりには思わず自画自賛してしまいそうになるよ、マジで!!」



 っタハーっと白衣のドレッドが笑う。灰色の髪の男の子が小さくため息をついた。



「ダメだ…… グレゴリ、やっぱりボクこのテンションだけはついていけない」



 少年は自分の中に棲まう隣人に嘆き、助けを求める。


 まあ、頑張れと詮無い返事にさらに俯いた。



「ウッヒョオオオオオオ、何アレ! デカイ! モスラだよ、モスラ!! こうしちゃいられない!! ゴリアテを数体起動しなくちゃならない!! ブライトくううううん?!」




「はいはい、わかった、博士。時間を稼げっていうんでしょ?」



「オフこオオオオオオオス!! ブライトくん、キミならば出来る!! 我が自慢の試作品、M-66 グレゴリと結合しているキミならばね!! あ! そうそう! そのグレゴリの姉のマルスだがね! 最近、ワタシのプロテクトを自分で外して、元の機能を取り戻しつつあるんだよ!! 生命の力ってスゲー!! そうは思わないかい、ブライーー」



 白衣の男の話を聞き終わる前に、男の子は地面を蹴った。


 頭上に現れた巨大な蛾の元へ駆けていく。



「行くよ、グレゴリ。PERK ON 」




「ウッヒョオオオオオオオ!! 頼んだよ、ブライトくうううん!! 願わくばキミがマルスの相棒の凡人君と同じぐらい成長する事を祈って!! おーっとこうしちゃいられない、スラッグマン!! ゴリアテを3機ほど起動させてくれたまえ!! 総力戦だあああ!! 何? 地下の人力発電組が限界?! そのためのハニーバープロテインだ!! アレをシェイクさせて無理やり飲ませたまえ!!そして一番の電力供給者にはVRルームの一日使用権を与えよう!! 1人はみんなの為に、みんなはひとりの為にだ!!」



 白衣の男はスマートフォン端末に向けて唾を飛ばす。


 それはこの終わった世界の中で白衣の天災が取り戻した人間の文明。


 電子機器は取り戻した、次は生息域、そして次は尊厳、そしてその次は生態系の頂点。



 白衣の男は亡き義娘との約束を胸に、今日も笑う。



「ヨオオオオオシ!! それじゃあ今日も張り切って、人類再興!! 人類、サイコオオオオオウ!! ヒャッホオオオオオオオオウ!!」





 ビバ!!



 人類再興はこのラスベガスから始まる。



 高らかな笑いはそのうち世界中に響き渡る事になるだろう。










「あ、そうだ。凡人クンにアポカリプスの日の正確な日時言うの忘れてた。ま!! いっか!! マルスといるのなら、彼だけは生き残るだろ!! 強く、生きろよ!! ウミハラ ヨキヒトクン!!」





 いつか、多分。メイビー。













 エンディング開示条件。


 ラドン・M・クラークと何らかの方法で接触する。


 会話での選択肢にて、ラドンの関心を引く。


 マルスとの友好度が一定以上、なおかつ融解結合を一度以上行う。


 ED NO 66 『ビバ! ラスベガス!!』

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