3、ふざけましたテヘペロ(真顔)

 それは変態への門、それはヤンキーへの門、それは……腐れの門。

 そこにあるのは、無限の可能性を秘めた門。「俺」は今、それが目の前にそびえ立っている。

 果たして、俺が開く門は---

「女への門でした、と。しかも外見全然変わんないじゃない」

「うっす……アタシこれからどうしたらいいんですかね」

「去勢でもしてみたらどうかしら、バカユウキ」

「はは、ひでえ言われようだな」

 泣けてくるぜと本当に出てきた目からの汗を拭う。

 ふん、と腕組みしつつ、実際はミカもおろおろとしている。幼稚園からの付き合いだ。隠していても分かるぜ……分かるわ。

 俺たちの通う大学には、奇妙な言い伝えがあった。「通ってはいけない門」があると。

 そこをおふざけで通ったらマジで後悔するらしい。今さっき実証してきた。

 門をくぐった本人に神様がランダムでこれからの人生を色々な意味でメチャクチャにしてくれるんだと。

 鼻で笑って、ねえよそんなもんと言っていたのが半年前。

 門を見つけたのが二週間前。

 いざとなるとユウキのくせに門を通る勇気が出てこなくて、やっと通ったついさっき。

 はあ、とため息をついて、これからどうなるかとうな垂れた。




お題:そっそれは……門

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