phase6.メイドさんバスタイム(その1)

 晩飯のあと、気が向いたんで庭を散策してから部屋に戻る途中で、バッタリ今日子と出会う俊秋。


 「あ、俊秋さん、ちょうどいいところに。今忙しい?」

 「ん? いや、特に何もないが。何か用か?

 (ま、まさか告白……なんてな。そんな巧い話がそうそう転がってないのは、学習済みさ!)」(;;


 「えっとね、メイド長さんが、「お風呂が湧いたから、よかったら入ってください」って」

 「(ホラな)ああ、わかった、入るよ。

 ……よかったら、今日子も一緒に入るか?」

 「え? えーーーっ!?」

 「そ、そんなに驚くこたぁないだろ。軽い冗だ……」


 「そっか。主人の背中を流すのもメイドさんのお仕事の内なんだね。うん、わかった。ボク、準備してくるよ」

 ほんの茶目っ気で言いだした戯言に真面目に対応されて、俊秋は「ウッソーーン!?」と叫びかけるが、慌てて自制する。


 「こ、これは……棚ボタだと思っていーのだろうか?」

 今日子が去ったあと、事態を把握したことで、つい顔がニヤケてしまう俊秋なのだった……。

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