phase3.はたらくメイドさん 後編
<side ♀>
「おっせんたく~、おっせんたく~♪」
洗濯籠を、両手に提げて運びながらも、そんなにメロディが口からこぼれ出す。
「あいかわらず、訳のわからん鼻歌歌うのが好きだな、お前」
ありゃ、坊ちゃ…じゃなくて、俊秋さん。
「んー、そう? なんか自然と出ちゃうんだよねぇ……んしょ!」
「おいおい、凄い量の洗濯物だな。それ全部干すのか?」
あはは、まぁ、確かに20キロの大型洗濯機丸2台分だもんね。
「うん、キチンと干さないとヘンな匂いとかつくし、皺になっちゃうからね! んしょんしょ」
一枚ずつ、パンパンッ! っと気合を入れて広げてから、物干竿に干していく。
「物干しに干すだけで大変そうだな。乾燥機使えばいいのに」
そんなコトを言う彼に、ボクは左手を腰に当てて、右手の人差指を「チッチッチッ!」と揺らしてみせた。
「ダメだよ、俊秋さん! 雨の日とかならしょうがないけど、晴れた日に乾燥機使うのは邪道だもん。やっぱり、洗濯物はお日様の香りがするふかふかが一番だよねー」
「そういうモンかねぇ。どれ、干すの手伝ってやろう」
腕まくりして、洗濯物に手を伸ばす俊秋さん。
「え? あ、でも……」
「お屋敷の坊ちゃんに手伝ってもらうワケにはいかない、ってか? 何、気にするこたぁない。お前さんを雇ってるのは俺じゃなくて親父だ。それに朝は手伝えなかったしな」ゴソゴソ
「いえ、そうじゃなくて……」
「あン?」
──ハラリ……
「その洗濯物、女物の下着とかが中心なんだけど……」
「!! あわわわわわ」
………orz
↑
※ブラジャーを手に硬直し、朝に続けて失態を重ねて、落ち込む坊ちゃんの図
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