phase2.はたらくメイドさん 前編

<side ♀>

 ふわぁ……早起きするのはちょっとだけ辛いけど、朝の空気は気持ちいいね。

 さて、メイドさんのお仕事その1、お屋敷前を綺麗にお掃除おそうじっと。


 「あ、俊秋くん……じゃなかった。坊ちゃん、おはようございまーす」

 「おはよう、今日子。それから、「坊ちゃん」はやめてくれ。友達づきあいの長いお前に、そう呼ばれると、背中が痒くなる」


 え~、そう? 折角「なんちゃって」じゃない本物のメイドさんになった身としては、雇い主の息子さんをそう呼ぶのに、ちょっと憧れてたんだけど。


 「えっと、それじゃあ、何て呼んだらいいのかな? さすがに「くん」付けだとフレンドリー過ぎるよね?」

 「かといって「様」づけもゾッとせんしなぁ。「さん」付けでいいよ、「俊秋さん」で」

 「はーい。ところで俊秋さん、お願いがあるんだけど……」

 「(ピクッ!)な、何だ? 何か困ってるのか? 言ってみろよ。俺にできる範囲でなんとかしてやるから」

 いやぁ、そんなに意気込むほどのことじゃないんだけど……。

 「うん、困ってると言うか……そこの足、どけてくれないかなぁ。折角掃き集めたゴミを、上から踏んじゃってるし」


 ……orz

 ↑

 ※好きな娘に、せっかく頼りにされたと思ったら、自分が邪魔してたでゴザルの図

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