第2話:カーズ・アンド・カーズ=呪術と車たち

「おっ、おっ、おっ……おっぱい……」

 昼間の電車内で不審者はおっぱいへの思いを多少出したのである。彼はある黒魔術士の詠唱付き呪術により呪われたオタクである。磯部太郎のいる場所とは大分離れている電車内である。


 これは数年前のことである、磯部太郎はわずかに知り合いである自衛隊員の日本人にたのみごとをしたのである。兵器にしてくれというたのみごとをしたのである。

 わずかに知り合いである自衛隊員の日本人は磯部太郎より年上であり、磯部太郎の実の母親とも同世代である。

「オッチャン、このカラダを、かっこいいロボットにしてくれませんか!? 兵器にするとか、実験台としてなら無料とかありますよね!?」

「軍にって、ことだよな? ……オッチャンはね、技術者違うからね、オッチャンにたのんでも、困る」

「はい、腕力だけがとりえと自ら言うオッチャンにはロボット改造をはじめから期待していません。オッチャンにはつてとしてということです。改造をオッチャンにしてもらいたいんじゃありませんよ」

「でもいいのか? 改造なんて。はやりか? 最近の若者の。オッチャン独身で出産させたこともないからね、最近の若者の流行には疎くてね。それにしても、愛知県からここまでよくきたね、学校の勉強とかで旅行なんてしてる場合じゃないシーズンだろ。これからこっちに住むか? エイジア最果ての都に? まあ、ロボットになるんだもんな、そんなのももうおさらばか。なんならこっち、住めよ? オッチャンの家」

 翌日から登校拒否となったものの在学中の高校に宿題やレポートを何度か送り進級と卒業を可能とした磯部太郎である。

 数年後のことである。高校の卒業式に出たいと思った磯部太郎は一旦地元に帰る予定をしたのである。ジェットにより空を飛べるようになったので飛んで向かったのである、在学中の高校の制服を着て。本当はモッズ・コートを制服の上には羽織りたいのであるが校則違反になるのでやらないようである。

 宇宙人らしきものから奇襲を受けることになる磯部太郎が卒業する学校であるが、磯部太郎を追ってきたという説もあるのである。

 磯部太郎が卒業する学校にはまだ、登校拒否の高校生がいるのである。その者らは兄弟で車マニアである。彼らは車のほうがヒトとして生きるよりよさそうだとして、車になったのである。その車はヒューマノイドにも変型することは可能である。兄貴はマッヅダ・アーイクス=セヴンという名称の車と似た型になるのである。弟はマッヅダ・アーイクス=ムゲンという名称の車と似た型になるのである。兄貴の色は磯部太郎のカラダの緑色より輝きがあり、〝フラッシュ・グリーン〟とも言われる色である、磯部太郎はフラッシュ・グリーンもモッズ・ファッションの範囲だとしている。弟の色はホワイトが基調でボンネットにはモッズ・ファッションと親和性の高いまん中から赤・白・青のラウンデルが貼られている。そうだ、彼ら兄弟もモッズ・ファッションの愛好者なのである。

「卒業式、車になって来たぜ!」

「だれ!?」

「車好きってことは、本多兄弟だ! すげえ、車になったんだな!?」

「アハハ、先生、ワイ将たちが車好きなのおぼえてくれてたんだ」

「ああ。でもだ、式会場に車はやりすぎだ」

「いいじゃん、もとより土足なんだから。中学みたいに靴にイタズラされることなくてよかったよ、あのシステム」

「前より余裕綽々って感じだな。それより、中に避難させてくれないのか?」

「いいぜ! ワイ将たちに乗りな!」

 卒業式会場である体育館のステージの辺りの天井が壊れた。黒いトレンチ・コートを身に纏い、黒いグラスで黒いサングラスの黒魔術士のような長髪の男性が宇宙人らしきものたちとともに舞い降りてきたのである。黒魔術士は宇宙人らしきものと協定を結んでいるのは裏社会での一般常識である。

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タイトルは? 超最終兵器モレ氏! @Dickie_Rotten

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