陣取り合戦

アリス

私は物心着く前からおかしな夢を見ていた。お姉ちゃん達がどんどん戦場に送り出されて、死んでいく。そんな夢を。その夢では必ず私は泣いていて、手をさし伸ばそうとしても届かなくて。夢だってわかっていても悔しくて仕方なかった。3歳で既に自我を確立しているって時点で神父様達に褒められていた私は、ここが本当の家族だと思っていた。そんな中、レイラが神父様達を殺した。発見された時、レイラの腕には茨の痣が見えた。でもそれは私だけにしか見えていなかったらしい。この孤児院に軍の人が来た時、私は思った。あの夢は、これで終わるのかもしれないと。でもそんなことはなかった。東の地の軍勢が攻めてきたからだ。やっぱり、何かおかしい。私にしかみえない痣があるらしい。あの痣はなんなんだ。戦っているみんな、痣が見える。でも待機組になっている他の子達には見えないらしく、何を言っているの？という顔をされた。その日、孤児院は血で塗れた。その後レイラが倒れたりしたらしい。私とテレサ、ルーナは看病にあたっていた。

｢……ルーナ、レイラの腕、痣がある｣

｢痣？そんなのないけど……｣

やっぱり見えないのか…でも何か確信に近いものがあった。この痣はさっきの能力を使うと発動するモノだ。でもなんで私にしか見えないの……？

そんな疑問誰にも言えない。そう感じた。