夢の跡
気づいたら真っ暗な空間の中にいた。
『ねェ、いつになったら私を助けてくれるの?』
声が聞こえ振り向くとそこにはマリア様(最果ての地の神)が居た。
「……マリア様?」
『そうよ。私はマリア。あなたの夢に現れるのは2回目のはずよ。1度目は声だけで。あなたにあの神父達を殺させたのは私。』
「……え」
『あの神父達は東の地の偽神父なの。』
「偽……神父?」
『そう。偽神父。あなたは知ってるわよね。アリスのことを』
アリスは今年3歳になったばかりの少女だ。その子がどうかしたのだろうか
『アリスは私の生まれ変わりなの。』
「アリスがマリア様の生まれ変わり……!?」
『でもアリスはまだ自分が何なのかを自覚できてないわ。だからこのことは秘密よ。アリスが自覚してマリアの名を口にしだしたら……』
そこまで言うと口をつぐもうとするマリア様。
「口にしだしたら……?」
『今のアリスは“本当のアリスであり、神ではない”って状態なの。自覚してマリアの名を口にしだしたらアリスは“偽りのアリスではあるが次期女神”になるの』
「アリスが次の女神に?」
にわかに信じ難い話だ。確かに少しだけ変わった子ではあるけどもあの子が神になるのは考えつかない。そう思っていると
『お願い。アリスを守って。アリスの代になる前にこの地を解放して』
そう告げられた。
「わかった」
そういった瞬間、現実に引き戻された。
「神様、人を殺めることをお許しください。この地を取り戻すため……私はこの地を犯した者を……」
そう言うと糸が切れたかのように緊張が解けて眠ってしまった。
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