事件翌日:最果ての地の孤児院
朝 祈りの間にて
「ねぇ、シスターが起きてこないよ?」
「神父様も起きてこないね」
「昨日の夜叫び声が聞こえたよ」
「何か関係あるのかな」
8歳から15歳までの少年少女達がそう言った。
そのうちの一人。
「僕が確かめてくる」
14歳になったばかりの少年、ハイネがそう言った。
「わっ私もいく!ハイネ兄ぃ!」
ハイネのことを兄として慕うテレサも行くと言っていたが、ハイネは無言で首を振り、
「テレサ、ここで待ってて?」
それだけ言って走り出した。
「神父様ー!シスター!もうお昼時ですよ!」
シスターや神父様がいる部屋に向かってそう大声で叫んだ。しかし、返事はない。仕方ないな。そう思い、扉を開けた。
「神父様!シスター!早くしt……」
目の前に広がっていたのは赤。床一面に赤いナニカが広がっていたのだ。錆びた鉄のような匂いもする。嗚呼、テレサを置いてきて正解だったな。神父様やシスターが死んでいるのに思ったことはそれだけだった。ふと血溜まりの中央を見やるとそこにはレイラが眠っていた。いや、眠っているというよりは気絶に近いのかもしれない。そんなことを考えているうちに軍隊が到着し、神父とシスターの惨殺事件はたちまち国中に拡がったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます