1-14.文章を書く息抜きに文章を書く

 何を言ってるのかと思われるかもしれないが、文章を書く息抜きに文章を書くというのは、割と多くの人にとって「あるある」なんじゃないかと思う。

 時々、絵を描く人なんかは「お絵かきの息抜きにお絵描きをする」なんて言うことがある。私は絵を描かないので想像に過ぎないが、多分同じ感覚だろう。


 例えば。このエッセイを公開した2021/12/07はカクコン開始直後。多くの人が執筆に励んだり、既に用意してある原稿を何度も確かめたり、ドキドキしながら投稿したりしている頃だろう。その、執筆に血眼になっている期間というのは、やはり気が張り詰めていて疲れやすい。

 散々考えて考えて書いて書いて……を繰り返して、あー! 疲れた! となった時。私は、ふと思うことがある。


「なんか他のもの書きたいな……」

 

 “他のもの”は、オリジナルの別作品の場合もあるし、二次創作の時も多い。当然、息抜きとは言え「手抜き」はしない。どちらも本気で書くわけだが、これがなんだかんだでいい息抜きになる。


 ずっと気を張り詰めて向き合っていたお話で、ふと手が止まってしまった時も。息抜きの作品を書いていると、そちらはすいすい話が進んで気が楽になる。悲しい場面ばかり書いていたとしても、息抜きで明るい話を考え出すと気が紛れる。

 意外と、息抜きの方があれよあれよと書けるようになって行き、何かに出せそうでは……? なんて思い始めたりもする。


 そうして、ひたすらに書いて書いて……を繰り返して、あー! 疲れた! となった時。私は、ふと思うことがある。


「なんか他のもの書きたいな……」


 そうして私は、元々向き合っていた書きかけのお話と顔を合わせるというわけだ。

 何が息抜きなのかよくわからないけど、これってやっぱり、よくある「あるある」だと思う。

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