1-7.短編がしんみりしがち

 最近気づいたのだけれど、自分の短編を読み返してみると、どうにもしんみりしがちというか、物悲しい雰囲気になりがちだと思う。

 元々、スポ根!根性!友情!元気!みたいな作風でないのは気づいていたけれど、短編に関してはとにかく物悲しくしんみりしがちだ。


 カクヨムでは、いくつか短編を公開しているが、こちらが短編集なのでわかりやすいだろう。


「香りの先」(現在は非公開)


 この短編集は、実在する香水の香りから勝手に想像したお話を書いてまとめたもので、文字数は物語ごとにまちまちだ。

 物語同士の共通点といったら、単に、とりあえず短めである、そして香りから想像した話である、というだけだ。


 それなのに、なんとなーく全体的に物悲しかったり、しんみりした雰囲気が漂っている。そもそも、私が「香り」という題材から「残り香」や「目に見えないもの」を連想するからなのかもしれないが……。


 なんて思って、他の短編を読んでみたけれど、やっぱりなんだかそんな感じだ。1万字以上になるとそういうわけでもないことが多いが、それ以下だともう、ことごとく雰囲気がしんみりしている。少ない文字数で表現しようとすると、そういった方向に流れやすいのかもしれない。


 一方、長編になると、短編よりも明るくなっていくように思う。言葉が多くなる分、あれこれ話が膨らんで、色んな可能性が増えていくからだろうか。不思議だ。落とし所がどうなるかは別にして、それなりに明るい部分も多い(と自分では思っている)。


 カクヨムの書き手の方々も、こんな風に、文字数のボリュームによる作風の違いがあるのだろうか?お話の内容が、文字数に影響を受けるとは。なんだか面白い。

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