3-3.夢小説はシンプルさが大事【前編】
「夢小説」というジャンルを、聞いたことがあるだろうか?二次創作は好きでも、耳馴染みがないなと思う人も多いかもしれない。
夢小説を私なりの定義でざっくり言うと、「既存の特定の誰かと、自分またはそうではない誰か(
ただ、これだと通常の二次創作におけるカップリング(同作品内のキャラクター同士の恋愛関係を楽しむもの)や、クロスオーバー(他作品のキャラクターとのコラボ)との違いが分かりにくいかもしれない。
なのでまずは、簡単に私の解釈の範疇で、夢小説について説明したいと思う。(一般的な説明と違ってもお許し頂きたい)
夢小説の一番の特徴は、「夢主」の存在だろう。
この「夢主」が「本来その作品に存在しない誰か」もう少し言うと、「どの作品にも存在しない誰か」や「読み手の分身に近い誰か」であるというのが、夢小説という概念の面白いところだ。
恋愛シミュレーションゲームの「主人公」に近いと言えば、イメージしやすいだろうか。
そのため、夢主を自分に置き換えて読む人/書く人がいれば、夢主と自分を分けて読む人/書く人もいる。(私の場合は、完全に後者)
専門のサイトでは、「夢主」の名前を好きに設定して、文中に反映出来ることが多い。
自分の名前を入れてもよし、呼ばれたい名前を入れても良し。高度なファンは、自分が見たいカップリングの相手の名前を入れて楽しむこともあるそうだ。
また、そもそも夢主の相手になる特定の誰かは、アニメや漫画のキャラクターに留まらない。実在するアイドルや俳優を対象とした夢小説もある。
こういった特殊な遊びということもあり、夢小説はネット上でかなり通好みな公開のされ方をしている。
検索避けなど様々なお作法があり、普通に検索してもなかなか出てこない。(つまり、あなたがもし夢小説を見たことがなかったとしたら、それは夢小説ファンたちの努力の賜物……とも言える)
だからこそ、コアなファンに愛されるのだろう。
さてさて。
私は、Pixivでのみ夢小説を公開してきた。Pixivの場合は、通常の二次創作の一つとして夢小説を公開できる。タグに「夢小説」とつけ、適切な注意書きをすればそれで良いので、読むのも書くのも手軽だ。
そういった環境でしか夢小説を公開してこなかったので、検索避けなどのお作法や、名前の設定などについて、恥ずかしながら私は経験していない。
やってきたのは、夢小説と言われる分野で、「特定の誰かと夢主の恋愛もの」をいくつか書いてきただけである。
それでも、お話の構成という点において、「夢小説を書く時はこうした方が良さそうだな」という勘所をいくつか得ることができた。
今回は、その勘所について書き留めておきたいと思う。
なお、私は既にPixivにおいて、夢小説を書きたい人向けに、自作品を事例に挙げながら、執筆手順や「こんなこと考えながら書きました」という話題に触れたエッセイを公開していた。
ここでその文章をまるっと掲載するのは趣旨が異なるので、今回の連載については、Pixiv版を元にしながら新たにあれこれ書いているよという点を、ご了承頂きたい。
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