第124話
精霊を孵化させて育てるように私に言ったのって、女装癖のある神様だったよね!?
えっ!もしかして、ハーメルさんってあの女神(?)様なの!?
「も、もしかして女神(?)様でいらっしゃいますか?」
確認する声が思わず震えてしまう。
「そぉよぉ~。やっと思い出してくれたぁ~?」
うぅ。いきなりハーメルさんの姿で女言葉になっちゃったよ。
なんだか、ちょっと頭が拒絶反応を起こしているような気がする。
隣にいるマコトさんも目を丸くしてハーメルさんのこと見ているし。
ガリガリの少女も猫が急に男の人になったことに驚いて腰を抜かしている。
「あらぁ~ん。みんな私の美しさに固まってしまっているわぁ~ん。」
クネクネと腰を振りながら両手を頬に当てるその姿はあまり好ましいものではない。
「えっと・・・。ハーメルさんの話し方でお願いいたします。」
精神的にその方がダメージが少ないので、是非ハーメルさんとして話して欲しい。
「駄目よぉ~。ダメダメぇ~。ハーメルの時は無理して話しているんだからぁん。」
だけれども、ハーメルさんもとい女神(?)様からは却下をくらってしまった。
うぅ。でも、こんなハーメルさんはトラウマだよ。
慣れちゃえばいいって?
そんなに簡単に慣れるものだと思う?いいんや、無理だって。
無理無理。
「姿を自在に変化させられるんですから、せめて女性に・・・。」
せめて。せめて女性の姿ならばなんとか耐えられる。
なんだけど、「わかったわよぉ~。」と言いながらハーメルさんは姿を変化させた。
マッチョな男性の姿に。
しかも、洋服だけは女性物を着ており、マスカラでまつ毛のボリュームをかさましし、紫色のアイシャドーまでつけている。あ、チークに真っ赤な口紅もしている。
「それのどこが女性なんですか・・・。」
思わずそう突っ込んでしまったのは致し方のないことだと思う。
「あらぁん。姿は男でも心は乙女なのよぉん。」
どうして、変化自在なのにわざわざそんな姿になってしまうのだろうか。
女性になりたいなら、女性の姿をすればいいのに。と思ったが突っ込むのも体力を・・・もとい精神を消耗するのでやめた。
「で、どうしてここに女神(?)様がいらっしゃるんでしょうか?」
ここはサクッと話を進めよう。
もう余分なことに惑わされないんだから。うん。
「うふふぅ~。知りたい~?」
「はい。」
すると、女神(?)様は白いドレスを靡かせながら、胸の前で祈るように指を組んだ。
そして、上目遣いでこちらを見てくる女神(?)様。
思わず視線を逸らしてしまうのは仕方のないことだ。
「お願い、マユ。精霊王たちと力をあわせて、この世界を救って。」
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