第113話
情報が一気に入ってきて頭が混乱してきた。
ちょっと整理してみることにする。
マコトさんが帝国の皇帝陛下とお友達で、マコトさんの妹のユキさんの旦那様である村長さんが勇者だったと。
もう、どこから突っ込めばいいのやら。
これ以上重要な情報を一度に聞いてしまっても頭で処理ができないので、突っ込まないことにする。
藪を突いたら蛇どころか大蛇が出てきてしまったら嫌だしね。
うん。もう何も突っ込まないことにする。
「そうだ。マコトに相談したいことがあったんだ。マコトが作る魔道具ならなんとかなるかと思ってな。」
皇帝陛下はそう言って、マコトさんに向かってキラキラと輝いた目を向ける。
この皇帝陛下も齢80なんだよなぁ~。
とても、80には見えないほどしっかりとしている方に見える。
それに、マコトさんのことを信頼しているようだ。
私としては、マコトさんの魔道具を使用するのちょっと怖いんだけどね。
私達は、皇帝陛下に連れられ場所を皇帝陛下の私室に移した。
皇帝陛下の私室と今までいた部屋はドア一枚で繋がれた場所だったため、他の誰にも見つかることなく場所を移すことができた。
皇帝陛下に案内されて、ふかふかなビロードのソファに座る。
座ると、お尻がソファに吸い込まれるようだ。なに、この感触。
ずっと座っていたいくらい座り心地が良いんだけど。
前面には皇帝陛下、隣にはマコトさんが座っている。
クロとシロはマコトさんの足にそれぞれ頭を乗せて寝そべっている。
恐るべし、猫様。
たとえ相手が皇帝陛下だったとしても平気でくつろいでいらっしゃる。
私は、心臓が張り裂けそうなくらいなのに。
「この国の内情は知っているかな?」
「ええ。噂程度ですけれど。お家騒動が起こっているとか。」
って!!マコトさん直球すぎっ!
友達でも相手は帝国のトップである皇帝陛下なんだよ!
しかも、相手はお家騒動の真っ最中。
下手をすると戦乱に巻き込まれる可能性もあるというのに、いきなり核心に迫るだなんてどうにかしているとしか思えない。
案の定、皇帝陛下は乾いた笑いを漏らした。
「はははっ。マコトは直球だな。」
「ええ。遠まわしに言っても悪化しかしないことは既に学習済みですので。」
「ははは。あの時は振り回してしまってすまなかった。」
「本当ですよ。余計な騒動に巻き込まれました。」
「でも、あればマコトやユキが勝手に空回りしていたようにも思えたのだが・・・。」
「さ、話を進めましょう。」
皇帝陛下とマコトさんの会話が続けられる。
途中でバツが悪くなったのか、マコトさんが話題を急に変えてきた。
ここからが、本題。
いったいこの国で何が起きているのだろうか。
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