第42話


しかし、このマーニャたちが貰ったと言う収納袋は高価なものじゃないのだろうか?

そんなものを3つも貰ってしまってよかったのだろうか?


うう~んと唸っていると、マリアがクスクスまた笑いだした。


「マユ、気にしなくていいと思うよ。猫様用収納袋はこの村のダンジョンの3階層でよくドロップするの。売っても1000ニャールドくらいだから、安心して」


「そうなの?」


「きっと、ドロップ品を貰ったんじゃないかな?」


そっか。

ならよかった。

高価なものだったらどうしようかと思った。

でも、もらったのならお礼をしたいな・・・。


「んにゃぁん」


すると、ボスが可愛らしく鳴いた。


「あらまあ。お礼ならもうしたってさ。存分になで回してもらったらしいわよ」


「それが、お礼なの?」


「ええ、十分なお礼になるわね。猫様を好きなだけ撫で回せるなんて、いくらでもお金を積むわ」


おおう。

マリアが力説している。

そうなんだ。

猫様たちのもふもふは偉大だ。


「にゃあああん」


「ええ、わかったわ。順番にマユに開けてもらうわね」


「なに?」


うう。マリアがボーニャと会話できるの羨ましい。私もボーニャと直接会話したいなぁ。


「この袋の中身はマユへのプレゼントだって。開けてあげて」


「え?私へくれるの?」


思わずボーニャを凝視してしまう。

ボーニャはただ嬉しそうに目を細めて「にゃあん」と一声鳴いた。

マーニャとクーニャも袋の中身をくれるのか、ボーニャと同じようにこちらを向いて鳴いていた。


なんていい子たちなの。

プレゼントをくれるなんて。

しかも、遠くまで採りに行ってきてくれるなんて。


思わず、じぃぃ~んとして感傷に浸ってしまう。


「ありがとう。ボーニャ、マーニャ、クーニャ」


私は、マーニャたちの頭を順に優しく撫でた。撫でられるのが嬉しいようで、マーニャたちも私の手のひらに頭を擦り付けてくる。


くぅ。可愛い。


私はマーニャたちから受け取った袋の中身を確認する。


まずは、ボーニャから。


出てきたのは、葉っぱがどっさりと入っていた。そして、ちまっとした苺のようなものが5個ほど。


私は、鑑定スキルを発動してこれらが何なのか確認してみることにした。


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