第43話
まずは大量にある葉っぱを鑑定してみる。
【薬草(上)
品質のよい薬草。ダンジョンの7階層以上に生えている。上級ポーションの材料となる。売価は1つ2000ニャールド】
「うえっ!?この葉っぱが!!」
思わず声に出して叫んでしまった。
うう。結構いっぱいあるんだけど、これだけでいくらになるのよ。
「良いものを採ってきてくれたわね」
マリアは関心して、うんうんと頷いている。
驚きながらも、つぎに苺のような実を鑑定してみる。
【鳥苺
ダンジョンの5階層以上で見つかる。鳥用の苺。卵を産む鳥に与えると品質のよい卵を産んでくれるようになる。与えれば与えるだけ品質が良くなるが、一日に1個しか与えることができない。売価は1000ニャールド】
おおう。ただの苺かと思ったら鶏用だったよ。
随分実用的なものを採ってきてくれたものだ・・・。
ボーニャの頭を優しくなで回す。
「ありがとう。とても良いものをありがとう。この苺は鶏にあげるね。きっと鶏も喜ぶよ」
お礼を言うと、ボーニャは「にゃあん」と鳴いてその場に横になった。
どうやら疲れたらしい。
そうだよね。遠くまで冒険に行ったものね。
次はクーニャの袋を開ける。
中には、虫がどっさりと入っていた。
「ぎゃーっっっ!!」
思わず悲鳴をあげてしまう。
虫、あんまり得意じゃないんだよ。
私の悲鳴に驚いたのか、クーニャがオロオロとしている。
「ご、ごめん。クーニャ。驚いちゃっっただけなのっ。ごめんね、大きな声をあげて。嬉しいよ。ありがとう」
クーニャを宥めるように、優しく頭を撫でたり背中を撫でたり顎を撫でたりしていたら、ようやく落ち着いたのか、食堂の床に寝っ転がて、毛繕いを始めた。
「マユ、その虫も貴重な虫よ。鑑定してみて?」
マリアに言われるがまま鑑定する。虫は大量にいたが、どれも同じ虫だった。
【不老虫
ダンジョンの8階層以上に生息する。上級ポーションの材料となる。売価は3000ニャールド】
以外と高かった。
というか、上級ポーションの材料?
さっき、ボーニャが持ってきてくれた葉っぱも上級ポーションの材料だったな。
「とても素敵な贈り物だったわ」
「じゃあ、マーニャ様のも確認しましょう。マーニャ様ったらマユの反応が楽しみらしくてさっきから尻尾を軽く揺らしながらこっちを見ているわ」
「う、うん。確認してみるね」
私は、マーニャの袋を開けてみた。
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