第25話
「マリアー!おはよー!!」
私はマリアの家のドアを叩く。
「んー?おはよう」
マリアはまだ寝巻き姿だった。とても眠そうに目を擦りながら出てきた。
ありゃりゃ・・・。
ちょっと来るのが早かったみたい。
時計をみると、7時を指していた。
今日は鶏に朝早く起こされたからなぁ。
トマトが美味しくて早く渡したくて急いできてしまった。
「ごめんね、早く来すぎたね。トマトがね、採れたから持ってきたの。このトマトすっごく美味しくて、思わず興奮して早くきちゃった」
「いいわよ。上がって」
マリアは朝早くに来た私にも優しかった。
「お邪魔します」と言って、私はマリアの家にあがった。
この世界の家では、家に入ったからといって靴を脱ぐことはしない。
日本とは違う文化のようだ。
そのため、この村では畳をみたこともない。
家の中でも靴を履いているって疲れないのかなぁ。
「そこに座って」
ダイニングに通され、椅子を指さされた。
木でできた椅子はとても温かみがある。
私は椅子に座って、なんとなく持ってきたトマトを鑑定してみた。
【熟したトマト Lv100
しっかりと熟したトマト。ほどよい甘味と酸味が食欲を誘う。】
「え?トマトにレベルがあるの?」
トマトにレベルがあるなんて知らなかった。それにLv100って・・・。
初心者なのに100って普通なのかなぁ。
「お待たせ、マユ。トマト見せて?」
しばらくして、マリアが戻ってきた。
どうやら着替えてきたらしい。
私は、マリアにトマトを手渡す。
「これ。トマトってレベルがあるのね。知らなかった」
「うん。そう、この世界のものには全てレベルがあるわ。レベルが高ければ高いほど美味しいし、高く取引されるの」
「このトマトLv100だって・・・」
「ふぅーん・・・って100!?マユって農業初心者だったよね?100っていったら農耕スキル持ってないと到達しないレベルだよ?昨日の今日でって、マユおかしすぎ。」
やっぱりおかしいんだ。
マリアはトマトを私から受けとると、水で洗ってから、切ってきた。
「確かに美味しそうね。みずみずしくって、私を食べてって言っているみたい」
マリアはそう言って、トマトをひときれ口にいれた。
「美味しい!ってかマユのステータス見てみてよ。農耕スキルあるんじゃないの?」
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