第24話


私は、マーニャたちと一緒に家に戻った。

やっぱり、マーニャたちはお腹が空いていたらしく、いつもご飯をあげている場所で待機していた。

いつも通りのご飯を持っていくと、マーニャたちはご飯をがっついて食べ始めた。


・・・なぁんだ。さっきのスリスリは甘えているんじゃなくて、ご飯がほしいっていう催促だったのね・・・。


なんだか、少しがっかりする。


むぅ。としながら、マーニャたちを眺める。

なんだか、とても美味しそうに食べているなぁ。


「ご飯、美味しい?」


「「「にゃあ♪」」」


3匹同時に返事した。

しかも、嬉しそうだ。

どうやら、このご飯美味しいらしい。





「さて、昨日植えた作物に水をあげなきゃね」


私はジョウロを持って、家をでる。

水は外に水汲み場がちゃんとに用意されていたので、そこから水を汲む。

水の入ったジョウロは意外と重かった。

昨日植えたヒマワリの芽はもう出ているかしら・・・?


まずはヒマワリに水をやる。

まだ芽はでていなかった。


「まだ芽がでないのかぁ。どのくらいかかるのかな・・・」


ヒマワリにたっぷりと水をやると、次はマリーゴールドに水をやる。

こちらもまったく芽がでていなかった。

がっかりしながらも、トマトに水をやる。

トマトについていた実は2つほど赤く色づいていた。


「あ!赤くなってる!」


私はトマトをもぐと、洋服の裾で拭いて一口かじった。


「・・・・・・・・・甘い。美味しい!」


今まで食べたどんなトマトよりも美味しく感じた。

とても瑞々しく、ほどよい甘さが食欲を誘う。


「トマトってこんなに美味しかったんだ・・・」


日本にいたころ、トマトを買って食べたがこんなに美味しくはなかった。

もいでから時間が経っているのか、売っているトマトはどこかフニャッとしていた。

それに、甘さもなにもない。

正直言って美味しいとは感じなかったが、もぎたてのトマトはとても美味しかった。


もう一つ色づいているトマトを収穫する。

これは、マリアにあげよう。

お礼にはならないかもしれないけど、とても美味しくできているからお裾分け。

喜んでくれるといいなぁ。


私はマーニャたちに声をかけて、マリアの家に向かうため家を出る。

手には先程収穫したばかりのトマトを持って。

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