これも小学生の頃ですが、いつからか爪を噛む癖が付いたんです。

 授業中でも、家でもしょっちゅう爪を噛んでいました。

 あれって、噛んでいると爪の伸びが悪くなるんですよね。次第に爪切りをしなくても両手の爪は伸びなくなりました。

 あれは、小学5年の夏ですかね。

 友達と追いかけっこしていて、石につまずいて転んだんです。

 サンダルだったので、右足の親指の爪が剥がれてしまいました。

 痛かったですよ、それは。でも、その次に湧いたものがありました。剥がれてめくれあがった爪。

 それを、「食べたい」と思ったんです。

 指でつまんで、まだくっついている根元からひきちぎって、口に入れました。

 かさぶたよりも、血の味が濃かったですね。

 血の味をしゃぶりつくして味がなくなってから噛みましたが、噛んでも硬いんです。

 仕方ないので、そのまま飲み込みました。

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