食べる

ghostwriter

かさぶた

 あれは小学生低学年の頃ですかね。

 遊んでいて擦りむいた膝に絆創膏を貼っていたんですが、しばらくするとかさぶたができたんです。

 あれって、剥がしたくなるんですよね。それで、爪でカリカリやってかさぶたを剥がしたんです。

 不思議ですよね、皮膚の一部なのに皮膚が再生されると剥がれてしまう。

 でも、間違いなく自分の一部なんです。

 それでぼんやりとかさぶたを眺めていたら、ふいに、『食べたい』と思ったんです。

 それで、口に入れました。

 味は、なんかしょっぱいような感じでしたが、それよりあの硬い感触がなんともガムのようで、しばらく噛んでいて、それで、飲み込みました。

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