第3話 倒れ込んでいた女の子

透と共に家の近くまで戻ってくると何やら人だかりが。

あそこか、と近寄っていけば警察車両と救急車が止まっており、中央で薫が警察に事情を話していた。

上手く人混みをかき分け「薫っ!」と声を上げればこちらを向き手を振ってくる。

その顔は深く落ち込んでおり、事の重大さを感じた。

救急車も止まっていることから例の女の子は運ばれたのだろう。

と、誰かに肩を叩かれた。

振り向けば日向が息を切らして立っており、その後ろには日向のお兄さん_警視庁捜査一課のエリート警視、桃瀬藤也さんが。

日向「連れて…きた…。」

そう言って藤也さんに見てきてと頼んだ。

翠「何やったの?」

日向「中を見てきてもらおうと思って。流石に私たちは見に行けないでしょう?」

確かに。

警察の人でもないのに中に入るのは不可能に近い。

翠「天才か……」

そう言って右手をグーにし、軽く空にかざす。

と、同様に日向もかざし、ハイタッチ。

その日向の顔は、汗に光が反射し、清々しいイケメンに見えた。

女子の癖に男子よりよっぽど格好が良い。

とにかく現場のことは藤也さんに任せ、まだ来ていなかった美香と合流し、日向邸へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

彼等の事件簿 @asousui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ