第23話

そのとき、洞窟の奥から「ぐわーーっ」という声が聞こえてきた。


大きくて低い声で、洞窟じゅうに響きわたる声だ。


「なんだいまのは?」


「えっと、ドラゴン」


「ドラゴン!」


「はい、ドラゴンのいる洞窟に来てしまったみたいですね」


「おいおいどうすんだよ」


「道を探してそこを通ればいいのですが、それまで待ってくれそうにはありませんね」


ミミの言う通りだった。


洞窟の奥から声の主が姿を現した。


それはドラゴン。


どこからどう見てもドラゴンだった。


四足で歩いているにもかかわらず、頭までの高さは十メートル近くありそうだ。


「うわっ!」


「私の後ろに隠れてください」


「どうすんだよ」

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