第22話

それからしばらく経ったある日、学校から帰って玄関の戸を開けると、中にいたミミが叫んだ。


「入ってこないでください!」


途端にまわりの景色が歪んだみ、そして一変した。


そこは大きな洞窟のようなところだった。


上も下も右も左も前も後ろも、全部岩だ。


本来なら光源がないために真っ暗なはずだが、天井がところどころほんのり赤く光っているために、全体が見渡せる。


「ここは?」


「うーん、またお父さんとお母さんに会いに行ってまして……」


「また道を消し忘れたってか!」


「そうなんです。ごめんなさい。まさとさんが帰って来る前に消そうとしたんですが、間に合わなくて……」


「あちゃあ。それじゃあ消し忘れた道を通って帰らないと」


「今、探しています」


「探してる?」


「前にも言いましたが、道は消し忘れるとあちこちに移動します。今どこにあるのか、わからないんです。近くにあるとは思うんですが」


「じゃあ早く見つけてくれ」


「はい、今やっています」

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